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英雄は誰がために立つ
Life15 続行決定
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 「――――ふむ、終幕か」

 Kraは、冥界中に無断で放った光学兼魔力探知迷彩を搭載してある、盗撮及び盗聴機器から送られて来た情報を集約した携帯機器に目を通していた。

 「如何やら、終わった様だぞ?」

 携帯機器から目を放してアザゼル達に目線を向けた。
 そこには死屍累々とした惨状に見えなくも無い光景が広がっていた。
 仰向けうつ伏せで倒れ気絶している者達が多くいたが、これほどの惨状にも拘らず死者はおろか、5体不満足にも翼がもげられた者すら居なかった。
 しかしだからと言って、一方的に襲撃してきた敵を憎まないワケでは無かった。

 「テメェ・・・!」
 「そう睨むことはあるまい?謎のセイクリッド・ギア(これ)を使ったとは言え、宣言通りに手を抜いたのだから・・・・・・とは言っても、解らなくも無いがね」
 「性懲りも無くぬけぬけと!」

 肩を竦めるKraの全く罪悪感を感じていない態度に、アザゼル同様片膝をついて睨んでいる幾瀬鳶雄が憎々しげに殺気を送っていた。

 「人間のままだと言うのに大したものだ。流石は神滅具(ロンギヌス)――――黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)の使い手と言った所か」
 「どこまでも・・・!」

 相変わらずにマイペースの態度を崩さずに対応するKraに対して、鳶雄は憤りを押さえられない様だ。

 「なかなかの善戦だったし、知り得た情報を教えておこう。死者が出たのは、旧首都ルシファードから一番近い軍事基地の軍人たちが十名前後だけで、後は重傷軽傷あれど命に別状はない者達ばかりだそうだぞ?しかも、襲撃者である奴らを見事撃退したらしいな。良かったじゃないか」
 「どこがだ!?死傷者がいるじゃねぇかっ!他人事みたいに言いやがって!」
 「事実他人事だしな。そもそも、お遊戯をするために襲撃しに来たわけじゃないからな。寧ろこの程度であれば軽度と言えるだろう。そうは思わないか、シェムハザ副総督?」
 「そうですね。亡くなられた悪魔の軍人の方々やご家族にはとても恐縮ですが、これほどの広範囲の襲撃にも拘らずこの程度で済んだのであれば重畳と言った所でしょうか」
 「シェムハザ!?」

 友人であり自身の補佐でもあるシェムハザの冷静過ぎる対応に、アザゼルは強い非難の眼を向ける。

 「――――ですが、少なくとも貴方の口から語っていい言葉でありませんよ・・・!!」
 「お、おー・・・」
 「ふむ」

 しかしシェムハザは、冷静に受け止めただけで静かに憤っていた。
 現にアザゼルは、若干引いていた。

 「取りあえず事も終わったので、私も引き上げるとするか」
 「逃がすとでも思ってんの・・・かっっ!!」

 アザゼルは、片膝を付けながら極太かつ巨大な光の槍を顕現させてKra目
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