流転
座して微笑う串刺し公U
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「まぁ、そう畏まらず近う寄れ」
「畏まってるんじゃなくて、あなたのふてぶてしい態度に唖然としてるのよ」
そうかそうか、とヴラドは笑う。
その態度は余りにも軽く、威厳を感じさせない。
アーシェに聞いてもなお、目の前の少年がこの城の主であるヴラド=ツェペシュとはとても信じがたい。
「しかし珍しい事もあるものだのう。まさか、主が自ら儂の下へ出向くとは…それも男同伴でとは」
「好きで来た訳じゃないわ。それに、私が誰と来ようとあなたに関係ないでしょう」
「いやいやいや、儂には主の保護者として伴侶を見極める責務があるのでな。どんな男か知る権利はある」
「いつからあなたが私の保護者になったのよ。それに伴侶ってなに?あなた、私に殺されたいの?」
「まてまて、殺すと言いながらも殺しはしないのだろう?脅すのならばもっと信憑性のある脅しをするようにと、儂の有難い教えを忘れたのか?相も変わらず足らん記憶力をしておるな」
まさに言葉の攻防といった様子だった。
いつまでたってもここへ来た本題が始まらない。
「あなたも相変わらずうるさい餓鬼ね。いい加減大人の落ち着きと威厳を持った方がいいんじゃないのかしら?あなたが城の主じゃ、この城を建てた人間も浮かばれないわね」
「餓鬼に餓鬼といわれとうないがな。主こそ無駄に身体を成長させおって。…あぁ、そうか、主はかの集落のなかでも随一実力が無かったものな。成人の筋肉量に頼らなければ身を守る事の一つも出来ぬというわけか」
「本当によく動く口ね。一回と言わずむこう千年黙らせてあげましょうか」
「ほほう、それができれば大したものじゃ。ほれ、やってみせよ。ほれほれ、儂の口はまだ元気に動いておるぞ」
まさに子供の喧嘩だ。
私は見かねて、目的を思い出せと肘で彼女の横腹を突く。
「なによ。わかっているわよ」
彼女は咳払いを一つ、やっと本題を喋りだした。
「今日はあなたと不毛な言い争いをしに来た訳じゃないの。ちょっとこの城のに隠れさせてちょうだい」
「ほう、儂の城に匿ってほしいとそういうことか?」
アーシェの申し出に、ぎらりとヴラドの瞳が輝く。
己の優位性を感じたのだろう。
面白いもので、種族を越えても感情というのは容易に読み取れるものだ。
「主が匿ってほしいと言うことは、余程面倒な相手なのだろうな。……その者が関係していると見て間違いないのかのう」
ヴラドの視線が私へと向く。
赤く血の色のように赤い瞳。
その瞳は私を見定めるかのように頭の先から爪の先まで舐めるように、視線を動かす。
「ふむ、人…しかも異端審問官といったところか」
「得意気になってるところ悪いけど、元異端審問官だけどね」
彼女の稚拙な
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