第3章 リーザス陥落
第41話 心の強さ
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。彼の歳は19歳。と言っていた。別に見た目がどうこうなどと、言うつもりは毛頭無い。
その年齢は、自分とあまり変らないし、年齢的にはまだまだ若輩と言えるだろう。なのに、その言葉には凄く重さがあると感じるんだ。
そして、何よりも……。
「やっぱり、……ユーリさんは素敵な人です」
「え?」
「……っっ!!!??」
かなみは、つい思った事を口に出してしまい、思わず口を抑えた。だが、もう口から離れてしまった言葉であり 今さら 抑えても遅い。だから、かなみは慌てて言葉を繋いだ。
「い、いえ、そのっ、いつも助けてくれますし、わ、私も頑張らないとって思って……」
「そうか……」
ユーリは、そう言うとかなみに向かって微笑む。
「明日から、頑張ろうな。……オレも全力で手伝う」
「……は、はいっ!」
かなみは、慌てて頭を下げるとそのまま素早く、寝室へと戻っていった。
そして、残ったユーリは、グラスに残っている酒を全て飲み干す。
「オレが素敵な人……か。聞き慣れないな」
ユーリはそう呟いていた。
ユーリは、色々と経験をして来ているからこそ、言葉も伝わりやすいんだろう。そう……色々と。
「………」
ユーリは、飲み干したグラスを片付け 酒瓶も仕舞う。
「リーザス、ヘルマン……そして魔人とカオスか」
考えるのは、今後の戦争。
魔人がカオスと言う武器を狙っていると言うのは間違いないだろう。だが、それだけではない気もするのだ。あれ程の力を持つ魔人だ、人間の国の力を借りる必要などあるのだろうか? と思えるのだ。
「今、魔人界を二分する戦争が起きている。……人間界では、魔人の1、2人が現れた時点で大ニュースだ。大っぴらに進行するわけにはいかなかったから人間の国を利用した……、とりあえず 筋は通るか」
デカイ動きがあれば、必ず片方側の勢力に目をつけられるだろう。
だが、解せないのは、あの魔人達だ。
「ホーネットは、基本的に人間界に不可侵を貫いている。あの彼女がこんな事をする筈は無い。片方なら兎も角な」
《ホーネット》
前魔王の娘にして今の魔人筆頭。彼女の事はユーリは知っている。
嘗て、≪出会った≫ことがあるのだから。
「……」
ユーリも寝床へと戻っていった。
今回の仕事……いや、仕事ではないが 進めていけば真実にたどり着くだろう。
それは険しい道だが。だが……それでもまだぬるい。
「慣れてるってな。オレの、《オレ達》の最終目的に比べたら……小さいもんだ」
〜アイスの町・キースギルド〜
日も昇り、朝日が町を照らす。
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