第3章 リーザス陥落
第41話 心の強さ
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こまであからさまだったら、驚くしかなかった。その後少し遅れて戻ってきたユーリ。更に声が裏返ってしまったかなみは、必至に表情を元に戻す努力をしたのであった。
その夜。
ユーリが容易した夜食を皆で食べ、寝床につく。勿論、ユーリは別部屋でかなみとヒトミが同じ部屋だ。
「でもね、お兄ちゃんって、天然の女誑しさんだから、お姉ちゃんも気をつけてね?」
「うぇぇ!? あ……でも、やっぱり ユーリさんって……」
「うん。お兄ちゃんはお顔をとても気にしてるから、自分では気づいてないっぽいんだけど……、私、普通に格好良いって思うんだ? でも、お兄ちゃんのお顔、可愛いの割合が高いから、からかわれちゃうのかなぁ?」
「うう〜ん……」
ヒトミのその認識は、リーザスの優希の感覚に非常に似ているのだった。
そして、ガールズトークを楽しんでいるようにも見える会話が続く。そんな中で、ユーリとヒトミの出会い話になって、かなみはある重大な事実を聞くことに……。
「私は、ヘルマンでお兄ちゃんに出会ったんだ。そこでね? お兄ちゃんの恋人(笑)さんに出会ってね〜」
「ここ、こいびとぉぉ!?」
その事だった。
その後……根掘り葉掘りヒトミにその時の話を聞いた。恋人と言うのは、また違ったものらしいが、それでも……行為はしたとの事。
「あ、あぅ……、ユーリさんが、……ユーリさんが……」
魔法のせいで、ユーリには自我が無い状態と説明をされたけれど……やはり、かなみはショックがあったようだった。その人も物凄くユーリにアタックをしていると言う事も聞いたから。
その後も、ヒトミとのトークは続いていた。
かなみも、ユーリ同様にヒトミが女の子モンスターとはもうどうしても思えない様になったようだ。
そして、ガールズトークも終了した深夜。
かなみは、眠る事が出来なかった。
それは、ユーリの家だから 緊張して眠れないと言った類ではない。……本当に居心地が良い今の感じに罪悪感が生まれているのは間違いない。現を抜かしている自分自身にも、嫌悪してしまうのだ。
リーザスでは、今 皆大変だというのに。
「……リア様、マリス様、……メナド、みんな……っ」
天井を見上げながら……リーザスを思う。そんな時だった。
突然、外から物音が聞こえてきたのだ。物音、と表すには乏しい微かなもの。
かなみは、元々忍者である故に、五感は鋭い。更に今は特に感覚神経が過敏になっているようで、その音を、微かな音を 聞き取ることができ、 反射的に身体を起こした。
「何……かしら?」
かなみは、気配を消しながら完全に起き上がったヒトミは気づいていないようでぐっすりと眠っ
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