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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第41話 心の強さ
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殆ど無かったんだから……)」

 だからこれが、初お泊りと言う事だ。

「っ〜〜〜///」

 かなみは悶えてしまっていた。しかし、彼女は忘れてしまっている事に気づいていない。

 ユーリの家には、《ヒトミ》と言う 女の子がいると言う事を、もうすっかり忘却の彼方だと言う事を。……かなみは、2人きりと、ピンクな妄想を膨らませてしまっているのだった。







〜アイスの町・ユーリの家〜


 かなみが、走っていった後 ユーリはランスと別れた。
 当然だろう、この町を拠点にしているのは互いに周知だ。ランスは、興味がなさそうにしていたが、とりあえず 何も言わなかった。かなみが、ユーリの家に行くかもしれないとランスは思ったようだから。

『抜け駆けするなよ!アイツはオレ様のだ!』とだけ言われたが……。

 ユーリには、そんな気はサラサラ無く、ただ苦笑いをしていた。それを見たランスは、何やら安心したのか シィルを連れ家の中へと入って行った。

「ったく、いつも盛んな事で……、まぁ ある意味では、マジで凄い事か」
「ん〜? 何のこと? お兄ちゃん」
「いや、ヒトミは、知らなくて良い事だ」
「ぶ〜〜! 教えてよーっ!」

 ユーリは家でゆっくりとしていた。
 結構早くに帰ってきたからヒトミには大層喜ばれた反面、『連れて行ってくれても、良かったんじゃないっ?』と、軽くせがまれる事にもなってしまっていた。

 だから、ユーリは一から説明をするハメになってしまったのだ。

 ……可愛い子には旅をさせろと言うが、今回ばかりは相手が悪すぎる。魔人がいるのは、直接会った以上は間違いないのだから。

「むぅ……、見逃した事は判るんだが、前後の細かな記憶、所々が欠落しているからな……。狙われる危険性も考えておかないと」

 ユーリは今後について画策をしていた。
 魔人がいる以上は、幾ら考えても考え過ぎと言う事にはならないだろう。

「お兄ちゃん……、ほんと 気をつけてね? 死んじゃうなんて……ヤだからね?」
「コラ。物騒で不吉な事を言うなって。大丈夫だ」

 ユーリは、心配そうに見つめるヒトミの頭を撫でてあげた。帽子をつけてるから、それをのけて。

「って、家でまでつけてる事無いだろう?」
「え? あ、うんっ。ハイニお姉ちゃんも 私の事 知っても何も酷い事しなかったし、大丈夫だったけど……」

 ヒトミは、帽子の端を両手で持って、それを眺めていた。愛おしそうに。

「だって、お兄ちゃんのプレゼントだもんっ! 暫くはずっとかぶってるもん!」
「……はは、ハゲても知らないぞ? キースみたいに」
「ぶ〜〜! そんな風にならないもんっ!」

 ヒトミは頬を膨らませつつも、帽子をし
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