第3章 リーザス陥落
第41話 心の強さ
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と思う?」
「……それは」
「理不尽に曝された者を救う事、力が及ばず苦しんでいる者達を笑顔にすること、そうだとオレは思っているよ。……そう考えたら、お前達はヒーローさ。あの時苦しめられていた人達の。……間違いない」
ユーリの言葉を聞いて、ノアの頭の中であの時の記憶が鮮明に浮かび上がった。
初めこそは誰も信頼してくれなかった。うわべでは言っていたがそれでも、真の意味では信頼をしてくれなかった。
でも、魔獣を討伐したあの時、笑顔で包まれた。心から感謝をされた。それは一度だけじゃない。何人もの人が自分達に笑顔を見せてくれたんだ。
笑顔の数だけが……彼と彼女の勲章なのだ。
それを訊いて ノアは俯き、目を瞑った。そして。
「私は、冒険を止めて田舎へ帰ろうって……思ってました」
「え?……ました?」
シィルはその言葉を聞いて驚きの表情を見せた。ノアも、もうはっきりと目を開いている。まっすぐで澄んでいる目には、迷いや怯えはまるで無かった。
「……直ぐには無理だと思います。でも、必ず……私も戻ってきます。ラークが頑張ってるんですから。私達は2人でラーク&ノア。……欠けちゃ格好がつかないですよね?」
「がははは、ラークのヤツは要らんが、ノアさんは良いぞ! もっともっと美人になってオレ様に会いに来ると良い」
「ノアさん……」
「頑張ってくださいね。初対面の私ですが、応援をしてます」
「待ってるさ。また、一緒に冒険をしよう。必ずな」
そう言うと、ユーリは拳を突き出した。
冒険が始まるたび、終わるたび、にラークと拳を当てている姿はよく見ている。勿論、自分とも。
「はい……。必ず、必ず戻ってきます」
ノアも拳を作り、ユーリの拳に当てた。 誓いを立てて……。
そして、その後病室を後にする。
後にするとき、看護婦に呼び止められた。
「……ありがとうございました」
「ん?」
ユーリは振り返る。
礼を言われたようだが、何のことかわからなかったようだ。
「ノアさんは、本当に衰弱をしてました。それは、身体の傷ではありません。心の傷で、です。それをあなた達が癒してくれました。ノアさんは、心を強く持ってくれました。ありがとうございました」
「……礼には及ばない。 彼女達とは付き合いが長いからな。オレにとっては他人じゃない。 仲間だと思っているんだ。……仲間なら 当然だろう?」
「ユーリさん……」
看護婦は笑顔になっていた。
男には興味が無いと思っていた彼女。その最大の理由は 男なんて皆野蛮で そして 欲望のままに生きているのだと、決めつけていたからだ。……この病院で 何度も男に襲われた女の子の看病をした事があるからこそ、そう思ってしまっ
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