第3章 リーザス陥落
第41話 心の強さ
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具合はどうですか?」
「ええ、大丈夫です。私はそこまで深手は負ってませんでしたので。皆さん本当にありがとうございます」
「がはは、そうだろ、そうだろ、もっとオレ様に感謝をしろ。命の恩人なんだからな」
「殆どユーリさんだけどね。ランスじゃなく」
「やかましい!」
ランスは、そう言うと拳骨をしようとするが、かなみは軽く回避をしていた。
「ふふ。ああ、そうだわ。これ、役に立つかどうか判りませんが、リスの洞窟で見つけた鍵です。……もう、私達が使うことも無いと思いますのでお2人に」
ノアはそう言うと、荷物の中から小さな鍵を取り出した。それはあの洞窟の入口の扉に刻まれていた文字と同じ文字が刻まれた鍵。
「がはは、もらえるものは何でも遠慮なく貰うのがオレの主義だ。いただいておこう」
「あの洞窟の奥に鍵を必要とする扉があるみたいだな……」
「どうもありがとうございます。ノアさん」
「私達が出来なかった分、がんばってローラさんを救出してあげて下さい」
ノアはそう笑顔で言っていたが……その瞳の奥には悲しみが宿っている事をユーリは見逃さなかった
「……ラークは」
「判ってますよ」
ユーリが話そうとした時、ノアから話した。
「私達は長くコンビを組んでましたから。……だから、ラークの事は判るんです。それに、私とラークが弱かったから。それなのに無敵のヒーローとみんなに言われて少しいい気になっていたからこうなってしまったの。私は折れてしまったけど、ラークは違う。自分を許せなかったから修行の旅に。きっと……また、戻ってきます。だからユーリさん。彼の事これからも宜しくお願いしますね」
ノアは、ユーリの手をぎゅっと握ってそう言っていた。
幸いにもランスは、鍵をシィルに渡している最中だったから、茶々を入れられずに済んだようだ。
「余計なお世話かもしれないですが、あの サテラと言う女には気をつけてくださいね。……初めて冒険で死を感じて、本当の死を感じて……、心を折られてしまったので。決して無敵のヒーローなんかじゃない。ただの臆病者だったと思い知らされたから」
「ノアさん……」
ノアの目からは一筋の涙が流れ落ちていた。
恐怖、そして悔しさもきっとあるだろう。ランスですら、今の彼女に掛ける言葉が見つからない様だ。部屋の中を静寂が包み込む。
だが、その数秒後にユーリは軽く笑い言っていた。
「ノア、忘れたのか?」
「……え?」
「魔獣カースAを一緒に倒した時の事さ」
ユーリは、あの戦いの時の事を思い出しながら、ノアに話した。大仕事であった事もあり、今でもユーリははっきりと覚えている。
「何人も何人も、数え切れない程の人たちが感謝をしていただろう? ヒーローの条件ってなんだ
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