暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
脈打つ悪意
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時間は少々さかのぼる。

Ten little boys went out to dine.(10人の男の子 食事に出かけた)One choked his little self and then there were nine.(一人が喉を詰まらせて 9人になった)

廃都。

第三回バレット・オブ・バレッツ本大会のフィールドに指定された四方十キロの孤島のほぼ中央部に位置する、荒廃した都市。

本来ならば銃声飛び交う主戦場であってもおかしくないその場所は、不気味なほどの沈黙がわだかまっている。天を衝く高層ビル群の合間を、時折もの寂しい気分を誘う風鳴りが響くのみだ。

幾重にも重なるビルの中、ひときわ高くそびえるタワーの天辺にせり出した出っ張りに腰かけるように、【尾を噛む蛇(ウロボロス)】ギルドマスター、フェイバルの姿はあった。

ビル風にサンドイエローのギリースーツをはためかせているその姿は、一周回ってプレイヤーとはとっさに判断できないかもしれない。引っかかったボロ布だとか、そういうオブジェクトの一種として総体的に景色に不自然に溶け込んでいる。

のっぺりとしたマスクの下でふんふんとハミングを口ずさみさえしながら、かつて《背中刺す刃》とまで呼ばれたプレイヤーは手元で自身の得物である、全長四十センチ程度の針を弄んでいる。

一見金属に見えるが、その実金属特有の光沢がなく、なにより色が目立つほどに際立つ白だった。

光すら跳ね返さないそれをチャリチャリと、クルクルと弄びながら、フェイバルはくすくす、と嗤いを漏らした。

「本当に、人間って生き物は愚かだなあ」

そして哀れでもある、と一人ごちたプレイヤーは、ふと顔を上げて自らの右。ちょうど真北の方角を向いた。その動きはどこか、人間の可聴域外の音を聞いた犬のようでもあった。

あるいは、獲物を見つけた猛禽類のような。

「……ふん、《入って》きたか」

唐突に、何の予備動作もなく、針を弄んでいた手が煙るように掻き消えた。

音はない。

ただ何かが倒れた気配のみが、限界以上に広げられた知覚領域の中で確認できた。しかし、それに対するフェイバルの反応は淡白なものだった。

喜ぶのでもなく。

怒るのでもなく。

悲しむでもなく。

そして、楽しむのでもなく。

ただただ、無関心。無感動。

端から自身の興味の外にあるのは無価値なモノだと決めつけているかのように、そちらの方を向いていたのはほんの一瞬だった。

監視衛星からの情報をもとに廃都エリアに入ったプレイヤーを、()()()()()()()()()()狙撃、一撃死させたさせたことを誇ることもせず、さりとて
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