暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
脈打つ悪意
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はそこを一望できる場所を陣取るはず。
狙撃手
(
スナイパー
)
相手の戦法は
定石
(
セオリー
)
通り、相手の警戒網を掻い潜っての接近戦、それもできれば
副武装
(
サブウェポン
)
を抜かれる前に決着をつける、奇襲からの速攻短期決戦が望ましい。
だがあのヤマネコは結構勘が鋭い。前大会でもそれが敗因だった。完璧に後ろを取ったと思ったら、完璧に先読みされていた上に余裕シャクシャクのツラでヘッドショットを決めてきたのだ。あの時の悔しさを忘れた日はない。
―――いざとなれば森ン中に隠してる《アレ》を……いや、まだ早いかしら?
ふむ、と唸る少女は、さらに指を繰り、今度は見知った者達の名を捜していく。
「ミナは……いないわね。砂漠にでもいるのかしら。…………ユウキは草原エリアから、レンには少し劣るけど猛スピードで東に。……そういえば、キリトってヤツもいたわね。………………んん?あれ?コイツも砂漠か?」
一つ一つの光点をタッチしていくうちに、ふとリラはあることに気が付いた。
―――やけに少ない……。
第三回バレット・オブ・バレッツ本戦の舞台となっている孤島は、四方が現実置換で三十キロメートルという広大なマップだ。これはひとえに、プレイヤー達の持つ銃器の射程範囲の広さによるものなのだが、しかしそれを差し引いてもいささか広いというのは事実である。現に、サテライト・スキャンを運営側が設置しなければ、大会終了まで隅っこで隠れ逃れられるくらいには。
リラは手首にまかれた時計を見、脳裏の時間と眼下の時間がしっかりとアジャストしていることを確認した。
やはり、本大会開始からまだ三十分しか経ってない。
にもかかわらず、いっそ異様というほどに生き残っているプレイヤーの数が少ない。敗北し、《死体》となって残留しているプレイヤーの光点は、生き残っているプレイヤーの光点と違って明るさが減じているので、パッと見では分からないのだ。
彼らはいったいどこに……と少女が広大なマップを再度仰いだ時、上空の監視衛星が飛び去ったらしく、端末のマップに表示される全ての輝点が点滅し始めた。あと十秒で位置情報がリセットされてしまう。
リラは最後にこれから首を突っ込むであろう南西部の位置関係をもう一度頭に叩き込もうとして――――
見た。
画面の中央。
荒廃したビル群が立ち並ぶ都市廃墟エリア。その外周部に沿うように多数の、光量の減じた点――――プレイヤーの《死体》があることを。
そしてその中の一点。もう廃都に目前となっている
点
(
レン
)
の進路上に転がる一点の光量がゆらりと揺らめき、薄ぼんやりとその光をどこか禍々しく強くしたことを。
「な……ん…………ッ」
どういうことだ!?とリラは辺りをはばからず、半ば絶叫のような声を出すが、当
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