暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
脈打つ悪意
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開いた。
「……欠片のみか?核は?」
「ここにはない。ちょっと
預
(
・
)
け
(
・
)
て
(
・
)
ある」
そうか、と呟いてからまるで彫像になったかのように、たちまちのうちに存在感を希薄にした相手に、今度はフェイバルから言葉を紡ぐ。
「SAOが終わってなお、あのジイさんは私に絡むの?」
「……いや、今回そちらに関してこちらは不干渉だ。邪魔はしない。その代わり、どうもお主と同盟関係でも築いている死銃に関しては、どうせ貴様のことだ。邪魔はしまい?」
「……レン君の立ち直りが思った以上だったのは――――本当に関係ない、と?」
ヘルメットを僅かに傾け、首肯する動作を発したプレイヤーを数秒間だけねめつけた後、「まぁいいや」と思いの外あっさりと引きさがった。
「この辺りの《掃除》も終わったことだし、これでレン君を迎い入れる準備ができたってワケだ」
楽しげに――――否、愉しげにフェイバルはふっと首を巡らせた。
不意の闖入者が現れてもなお角度を変えなかった顔を、ある一点で固定させる。
それはヘルメットのプレイヤーは知る由もなかったが、その視線の延直線状の方向には小さな少女のような少年のアバターがある。光学ズームを用いてさえ見れるかどうか怪しい距離の差を遥か彼方に置き去りにしていることを確信させるようなフェイバルの瞳は、一種病的とさえ思われるナニカがあり、見る者がいたら全員背筋を粟立てさせただろう。
嗚呼、と。
恍惚、いやいっそ陶酔したような笑みが、マスク越しでもはっきりと分かるほどに広がった。
「……来たね、レン君」
いつの間にか、ヘルメットを被ったプレイヤーの姿はない。気配ごとそっくり消え去っている。
しかしその事実を欠片も気にした様子もなく、イエローギルドの長だった者は内の喜びを隠しきれないように嗤う。
くすくす、と。
くすくす、と――――嗤う。
手元に視線を落とす。透明な試験管の中に落とされた金属片は、もはや金属とは思えないほどに生々しく、生物的に蠢いていた。心なしか、体積も大きくなっている気がする。
「……予選の時より反応が大きくなってる。くすくす、目覚めの時が近いということかな?」
まるで子供がサンタを待ちくたびれるように、抑えきれない心を言葉に乗せて、フェイバルは少しだけ仮面をズラした。
変声効果の掛かっていない響きは、立ち並ぶビル群の合間を綺麗に吹き抜ける。
「
Eight little boys gayest under heaven.
(
8人の男の子 楽しそうにしてた
)
One went to sleep and then there were seven.
(
一人眠って 7人になった
)
」
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