暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
脈打つ悪意
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機嫌すらも微動だにさせないまま、毒々しい黄を羽織るプレイヤーはくすくすと再度嗤った。

相も変わらずその真意を窺わせない、無色透明で悪意に塗れた声で、唄う。

Nine little boys swinging on a gate.(9人の男の子 門でブランコしてた)One tumbled off and then there were eight.(一人落っこちて 8人になった)

「……マザーグースか」

その声は、一切の抑揚なく放たれたその声は、フェイバルの真後ろ。崩壊して粉々になったガラスの向こうにわだかまる暗がりの中から突如として放たれた。足元に散乱するガラスの破片を踏みしめているというのに、足音どころか衣服の衣擦れの音さえしない。

暗闇からうっそりと、しかし隙なく現れたのは、痩せた長身を雪原戦闘対策である青白い柄の迷彩スーツに包んでいる一人のプレイヤーだった。東部全体を覆う黒いシールド付きのヘルメットがあるため、性別が容易に判断できない。声もヘルメットの変声効果が付与され、くぐもっている。ただ、痩せてはいるがしっかりと精悍な内が滲み出ている体格から辛うじて男の臭いが漂うが、男女関係なく筋肉率が極めて高いGGOではその判定も疑惑の一言だ。

武装は、右手にぶら下げた細長いショットガンのみ。それにしても端から撃つ気すらないのか、人差し指はトリガーガードの内側にすら入っていなかった。

黄色を纏ったプレイヤーは振り向かない。歌のリズムを口ずさみながら、唄うように口を開く。

「ここにいていいのかな?シゲさんに撃たれてこいって言われてるんじゃないの?」

「……これから向かう。なに、その前に一つ見ておきたくてな」

「――――何を?」

「とぼけるな。《鎧》のことだ。……お主が持っておるのだろう?」

返答は感心したような口笛とともにもたらされた。

「さすがは【風魔忍軍】の《無形》、といったところかな?監視衛星(あんなの)を使わなくても私の位置を正確に割り出してるし。何より声を掛けられるまで気付かなかったしね」

「謙遜は美徳だがお主に言われると腹立たしくなるな」

普段の彼を知る者からすれば信じられないほどの言葉を発する男は、しかしそれでも最低限無駄口は叩かないとばかりに顎をしゃくって促した。

やれやれ、と肩をすくめるフェイバルは、スーツの襟元をめくり、そこから細いガラス製の試験管を取り出した。

その底には、光さえ逃さんとばかりに漆黒の鋭い金属片が納められていた。艶消し、とも言えないほどの圧倒的な黒を内包するそれは、時折心臓の鼓動のように蠢き、瞬きするかのように血の色の光を放っている。

だが、それでも男はまったく臆すことなく、どころか小首さえ傾げてメット越しに口を
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