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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
十七話 ー襲撃犯、ですー
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からないわけでもないですけどね〜』

 相変わらず軽い調子の声音だけど、私を冷静な気持ちにさせるには十分だった。
 思い返せば、授業後に真澄に冷淡な態度を取られてから様子がおかしかった気がする。

「目が曇ってるのは、私かもね……」

 自嘲気味な笑いを浮かべる。
 そして、沢渡に言われた言葉を理解する。
 いつもの私なら、真澄が仇討ちに行こうと知った時点で話など聞かず、彼女を止めるなり、その勝負に乱入するなりしていただろう。

「……デスガイド」
『はいな?』

「……行こう!」
『えぇ、その言葉を待っていましたとも!』

 デスガイドが力強く頷くと、彼女の影が四方に千切れ、飛んで行く。

『場所はすぐにわかります』
「うん、ありがと」

 一言礼を言うとそのまま店を後にする。既に空は暗がり始め、不穏な気配を漂わせていた。

 ーー絶対、無事で居てよ!!

 ◆◇◆

 時は少し遡り、左右を建物に囲まれた路地にて、三人と一人のデュエリストが対峙していた。三人組の方は言わずと知れたLDSの各召喚コースの首席、真澄、北斗、刃の三人だ。そして、彼女らが見据える先にいるのは黒い外套を羽織った青年。そして、彼こそが最近LDSを襲撃している犯人であり、三人のターゲットである。
 そして、師匠であるマルコ先生を襲われた真澄は一際強い視線で男を睨みつけていた。

「おい詰めた……!」
「…………」

 男の背後に続く路地には行き止まりがあるのみで、他の道へと続く道は三人ががっちりとガードしている。しかし、三対一という圧倒的な不利な状況に置かれているのに関わらず、男に焦りは微塵も感じられない。あるのは、刺すような殺気と、ある目的を遂行するための執念だけだ。そして、男はデュエルディスクを構え、吠える。

「お前らLDS如きが何人増えようと変わらない!纏めて片付ける!」
「っ!行くわよ、刃!北斗!」
「「おう!!」」

 左右に立つ二人から威勢のよい声が響く。

 ーー絶対に、絶対にマルコ先生の仇を討つ!

決闘(デュエル)!!』

「先行は私がもらう!手札から『ジェムナイト・フュージョン』を発動!手札の『ジェムナイト・サフィア』と『ジェムナイト・アイオーラ』を融合!」
「っ!融合、召喚ッ!」

 冷静を装う男の表情に憤怒の感情が交ざる。だが、そんな事は知った事ではない。

「勇敢なる青き魔石よ!今ここにその武勇を示せ!融合召喚!『ジェムナイト・アクアマリナ』!」

 召喚条件の緩さとは逆にタイミングを逃さないバウンス効果と守備力の高さを誇るアクアマリナ。1ターン目からの融合召喚に左右からよしっ、と小さく意気込むのが聞こえる。

「さぁ、あんたのターンよ」
「おの
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