第四十一話 レベルアッパー取引現場
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さんの声が聞こえましたの」
「あー、なるほど」
白井さんの説明で俺は納得した。俺がレベルアッパーを送った時に初春さんから俺の居た場所へ行くように指示されていた白井さんは、その場所からここで初春さんへ電話している佐天さんの声を直接聞いたのだ。その為即座にこの場所まで来られたというわけである。
「それで、レベルアッパーの取引をしているというのは、こちらの方々ですの?」
「うん、そうみたい。まー、値上がりしたとか何とかって難癖付けて結局金だけだまし取ろうとしてたみたいだけどね」
白井さんからの確認に俺は今までの状況を答える。多少俺の主観で説明しているが、ほぼ間違ってないだろう。
「あら、そうでしたの。というわけで、ジャッジメントですの! おとなしくお縄を頂戴して下さいな」
「へっ、ジャッジメントだとよっ! いきなりの登場は驚いたが、ただガキが一匹増えただけじゃねーか!」
俺の説明を聞いたところでようやく白井さんからお約束の台詞が放たれ、それを聞いたトリックアートの舎弟が白井さんに向かって言い返す。この舎弟は、さっきマッシュルームカット君に蹴りを入れていた方だ。
「はぁ……今日はここまで無駄足続きだったというのに、佐天さん達がいきなり当たりを引き当てているとは……」
すでに俺がレベルアッパーを初春さんに送っているので、レベルアッパーの取引場所を探す必要は無くなったはずなのだが、それでも俺達の方が先に取引場所に遭遇していた事がショックだったのだろう。
「何だぁ? 余裕かましやがって、テメェ一人で何が出来るってんだ!」
「あなた方を確保するぐらいなら私一人でも何とかなりますわよ」
怒りを露わにして白井さんに詰め寄る舎弟に対して白井さんは冷静に答えている。確かに今の白井さんなら舎弟ぐらいは簡単にあしらえるだろう。
「はっ、出来るモンならや……べふっ」
白井さんに掴みかかろうとした舎弟がいきなり逆さまになって頭から落下する。テレポートによって相手を逆さまにするだけなのだが、かなり有効な手段なのだろう。何というか、首の骨がぐしゃと変な音を立てたようにも聞こえたが、その辺は白井さんもちゃんと手加減をしていると思いたい。
「なっ! テメェ、よくもっ!!」
いきなり一人が倒されて、もう一人の舎弟が白井さんに殴りかかってくる。ただ少し距離があったので、殴る構えのまま走っているというちょっと滑稽な状態である。
「はぁっ!!」
「あぐっ」
白井さんはテレポートで後ろに回り込み、思い切り鞄を頭上に振り下ろした。鞄の角が頭頂部に直撃したのでかなり痛そうである。これで舎弟の二人は簡単に撃沈してしまったわけだ。
「さて、後はあなた一人ですわよ?」
「
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