2部分:第二章
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になりました。するとどうでしょう。川は忽ちのうちに平和になりました。やはり二匹が顔を見合わせないと喧嘩はなくなったのです。
「うわあ、こんなに変わるなんて」
「思いも寄らなかったわね」
「うんうん」
皆で頷き合います。本当に予想以上の効果がありました。しかもそれだけではなかったのです。
「ふむ。何か最近のう」
「川に悪いものが入ってくるのが減りましたね」
「そうじゃな」
今度はそのころに気付いたのです。皆またしても驚きでした。
それでどういうことかと思っていますと。カニさんとザリガニさんのおかげだったのです。二匹が何をしていたのかというとそれぞれ川の端にいて川に入って来ようとする悪いもの、悪い生き物やゴミを退けていたからです。だからだったのです。
それで川に悪いものが入って来なくなったのです。これはとても有り難いことでした。しかもです。話はこれに留まりませんでした。
カニさんとザリガニさんはそれぞれ顔を合わせることが極端に減りました。それでたまに顔を見合わせても。至って穏やかになったのです。
「おう、久し振りだな」
「そうだな」
こんな調子です。全く何の剣呑さもありません。皆それを見てさらに驚きでした。
これがどうしてなのはどうしてもわからないで皆また話をしました。タニシのお婆さんが貝殻の中であれこれと考えながらそのうえで皆に言うのでした。
「これってどういうことかしら」
「わからないわよね」
「うん、全然ね」
うぐいさんにも鮎ちゃんにもそれがどうしてかわかりません。
「何で急に仲がよくなったんだろ」
「わからないのよね、そこが」
「わしもだよ」
蛙のおじさんにもわかりませんでした。
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