暁 〜小説投稿サイト〜
SNOW ROSE
兄弟の章
U
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
してもフラれっぱなしだと言う。
「メルデン、もう運ぶだけなんだから…一体何を心配してんのさ。」
「そうですよね…。」
 ジョージの問いに、メルデンはそう言って微笑した。
「先輩のようになれるでしょうか…。」
 それはメルデンの口癖でもあったが、ジョージはその言葉を聞くたびに溜め息を洩らす。
「メルデン、君は入ったばっかりでしょ?先ずは勉強、その次ぎが実践。結果なんて後から付いてくるものなんだからさ。」
「でも、先輩は入った時から凄かったって…。」
「僕はずっと勉強してたからね。教えてくれた人もいたし。ラッキーだったんだ。でも、それ以上にそうしなきゃならない理由があったしね…。」 ジョージが淋しげな顔をして俯くと、メルデンも「すみません。」と言って俯いた。
 その時、コック長のアッカルドから号令がかかる。
「こっちのほうが空いたから、直ぐに運べるよう移動しといてくれ。」
 彼らは顔を上げ、仕事に集中した。
 そして優雅に盛り付けられた皿を、二人は慎重に移動させていったのであった。




[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ