第3章 リーザス陥落
第40話 神威
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〜リスの洞窟前 ≪数十分前≫〜
サテラは、ユーリに向かって飛び掛った。
そして、鞭を振るう。それは、1秒にも満たない時間でユーリの首筋に当たるだろう。そんな刹那の時に……ありえない現象が起きた。突如光に包まれたのだ。
「っ! ふ、ふん! さっきの目晦ましか! そんなの、もうサテラには効かないんだよ!」
サテラはそのまま、鞭を止める事はない。
効かないとは言っても多少は目も眩み、標的の輪郭も光でかき消されてしまっている。……が、ここまで接近し、攻撃寸前の状態だ。なら目晦ましなど殆ど意味を成さないだろう。
だが……。
「っ!? な、なんだ!? 鞭が……動かない!?」
振るった鞭が何かに当たった感触は合った。
そして、自身へと戻ってくるように返しを入れたがまるで戻ってこない。力いっぱい引っ張っても……まるでビクともしないのだ。
『……全く、無茶をする』
その光の世界の中、声だけが聞こえてきた。
『まだまだ 未熟な器で我を身に纏わすか……? 以前 どうなったか覚えが無いわけでも無かろうに』
その声は……さっきまで話していた者のものでは無い。声色は確かに同じだが、根本的に何かが違う。サテラは、直ぐに直感した。
「くっ! な、誰だ!! お前っ!!」
サテラは、大声でその声の方に向かって叫んだ。
『だが、魔人が相手ならば致し方なしか』
「うわっ!!!」
サテラは、思いっきり引っ張られる。
鞭を握り引っ張っていたのだが、逆にとんでもない力で引き寄せられたかのようだ。まるで、高所から落下するような力。サテラは、引き寄せられた後 鞭を離してしまい 地面に突っ伏してしまう。
口の中に砂が入り 不快感を更に上げた。
「ぺっ! ぺっ! こ、このぉぉ!!」
顔を上げようとした時。あの光の中から人物が出てきた。さっきまでの男がそこにはいた。厳密に言えば少し違う。
来ていたフードもその下につけていた鎧も剥がれ落ちており、ショートヘアだったその髪は肩より下に伸びており、その髪の色も変わっている。光のせいで色はわかりにくいが、さっきまでの黒い髪では無い。
「誰だ! お前は!」
『ふむ……』
「おい! 聞いてるのか! 人間の分際でぇぇ!!」
サテラは、激昂し再び飛び掛った。
男は腕を振ったり、身体を見たりして、サテラにはまるで眼中に無いと言わんばかりだったから。武器が手元に無い状態のサテラだったが、単純な体術でも人間に比べたら遥かに上回った力を持っているのだ。手刀の構えをし、男を貫こうとしたその時だ。サテラの手刀は男の指先で止められてしまう。
「なっ!?」
そして、相
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