第3章 リーザス陥落
第40話 神威
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様に。……或いは、火丼の術を暴発させてしまった時の様に。
「ん? 大丈夫か?」
ユーリは、顔を赤らめている彼女を見て心配をしているようだ。……やはり、ヒトミの言うとおり、天然の鈍感女っ誑しなのである。
「い、いえっ……、そ、そのですね……」
かなみの頭の中は混乱に包まれている……。
今、言ってしまうとも思えていた!
大変な時期で、そんな事を言ってられるような状況じゃないって判っているんだけれど。いつ、伝えられなくなってしまうかも判らない状況なんだという事もさっきの事で良く判ったのだから。だからこそ想いを伝えようとかなみは……。
「わ、わたし、はユーリさんの、目から見て……せーちょーしてますっ??」
「うん?」
明らかに声のトーンがおかしいのだが、とりあえず質問をされたためユーリはゆっくりと頷いた。
「初めてあったあの時に比べたら見違えているよ。忍者の仕事……諜報もしている上での成長。成長速度は戦いに身をおいている者、軍や冒険者よりも上なんじゃないか?とも思える」
「あ、はい! ありがとうございますっ! ゆーりさんにっ そ、それをいってもらいたくてっ!」
「……?? オレに伝えたい事があったんじゃなかったのか?」
「ま、まちがえたんですっ! ゆーりさんにつたえたいこと〜じゃなくて、ゆーりさんにひょーかを、してもらいたかったので!!」
……正直声色もおかしいかなみだった。
その後暫くかなみの挙動不審ぶりは続くのだった。
〜リーザス前 街道〜
3つの影が街道を歩いていた。
どうやら、リーザスの方へと向かっているようだ。
巨大な影が2つと小さな影が1つ。そう、あの時の3人だ。
「ぐぅっ……」
「サテラサマ……大丈夫デスカ?」
「大丈夫……なんかじゃない。な、なんなんだよ、アレは!?」
「ワカリマセン……」
サテラは、恐怖をしていた。
その恐怖を誤魔化すように、ヒステリックになってしまっていたようだ。脚も震えている。身体も震えている。イシスやシーザーが傍にいて支えてくれていなければ倒れてしまうほどに。
「うぐっ……」
サテラは、両腕で身体を抱きしめる。
震えを止める為に強く自分自身を抱きしめた。
この人間の世界であんな事になるなんて夢にも思っていなかった。人間相手に……コレほどまでの恐怖を味わせれるなんて 夢にも思っていなかった。
「いや……、あれはあの男とはまったくの別人だ。あんなのが、人間な筈が……」
サテラの脳裏に浮かぶのは、あの男の姿。確かに姿形は然程変化は無かった。……だが、あの瞬間のあの男の中身がまるで違ったのだ。
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