暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第40話 神威
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いた。

「そんなっ! ユーリさぁぁんっっ!!」

 かなみは大声で泣いていた。

 外に出て、誰かが倒れているのは直ぐにわかった。
 傍に近づけば近づく程、信じたくない人だと言う事がわかってきた。認めたくなかったんだ。でも、その姿を見たら……、

 ユーリは、上半身の防具がまるで紙の様に破かれた状態でそこに倒れていた。まるで眠っている様に……倒れていたんだ。息はしてなかった。

「うっ、ううっ……そ、そんなのや……だ……っ やだっ ユーリさんっ……」

 ユーリに縋りつき、涙を流し続けるかなみ。

「わ、わたし、わたし、きっとあなたに、……ユ……ーリさんに、いおう……いおうって、ずっと思ってたのに……ど、どうしてっ…… どうしてこんなっ……」

 ユーリの胸元に顔を埋めて……涙を流し続けるかなみ。

 ランスも流石に、今の状態でかなみに何かを言う事など出来ず、黙って見ていた。シィルも、……ただただ涙を流し続けていた。



その時だった。



「……何をオレに伝えたかったんだ?」


 声が、訊こえたんだ。

「えっ……?」

 何も聞こえない、周りも見えていない状態だったかなみだが、突如、声が聞こえてきた。まるで、頭の中に、心の中に響いてきたかのように。

「ふぅ………」

 ユーリは、上半身をゆっくりと起こした。それはまるで何事も無かったかのように。さっきまで、息をしていなかったのに、ちゃんと息をしていた。

「なんだ、生きてたのか。お前はそんなんばっかだな。何だ? それ、狙ってんのか? 男らしくないヤツ」
「んな訳あるか……。相手が相手だったんだぞ? ふぅ……あぁ、疲れた。それに勝手に殺すなよ。かなみ」

 腕を軽く振ると、ユーリは 傍にいた かなみにそう言っていた。

 かなみは、まだ状況が飲み込めず、信じられない様なものを見ているかのようだった。

「全く人騒がせな。忍者の癖に。わんわんの様に泣くんじゃない。だからへっぽこなのだお前は」
「……うっ ううっ」

 かなみは、ランスに『うるさい』と言いたい様だが、口が回らないようだ。

 ただただ、両手で必至に涙を拭っていた。

「でも、心配をかけて悪かったな。かなみ、それに皆も」
「良かったです……ユーリさん……」
「ふん、誰が心配なんぞするか! 金ズル、下僕がいなくなれば、オレ様の負担が増えると思ってただけだ」

 ランスはそう言うと、シィルの頭を軽くこついだ。

「いつまでグズグズとベソをかいておるのだ! さっさと行くぞ!」
「は、はいっ……ランス様……」

 シィルはそう言うと、ユーリの方を見て。

「良かった、良かったです……ユーリさん、ご無事で……」


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