第3章 リーザス陥落
第40話 神威
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しらみつぶしに探すしかない。どれだけ時間がかかっても、ユーリとの合流は果す。それは きっと国を思うのなら間違えている行動なのかもしれない。
だけど、彼女にはその選択以外ありえなかった。
そんな時だ。
……嫌な、とても嫌な光景を目にしたのは。
「あ、あれ……? 誰か倒れてる……?」
かなみが、四方を見渡した時に離れた場所で見つけた。目測で40m先と言ったところだろうか。
「ま、まさかっ……!?」
かなみは、傍にあった木にラークを寝かせると素早く動き出した。その誰かが倒れている場所へと。嫌な予感が……したから。
「ランス様、外に出ました」
「うひひ……おしりが1つ、おしりが2つ!」
「ひんひん……ランス様ぁ……」
シィルとランス、そしてシィルに抱えられているノアは、かなみより少し遅れて外に出た。……ランスはと言うと、当然いつも通りの反応だった。先にシィル達を行かせて後ろでお楽しみだったようだ。
外に出たことでもう終わりだった。
「あ、あれ? かなみさんは……?」
「む? オレ様に黙って勝手に帰ったというのか? へっぽこ忍者め!」
「い、いや、かなみさんに限って……」
『――……リさんっ!!』
「!!」
シィルが辺りを探そうとした時だ。少し遠くから声が、聞こえてきた。
……2人はかなみの物だと直ぐに気がつく。
「ランス様っ!」
「ええぃ! これだからへっぽこは、それにラークの馬鹿もここにおきっぱなしでは無いか! ……まあ、それは良いか」
「い、いえ、あまり良くは無いかと……」
「兎も角、行くぞ。ノアさんは置いてくな。危ないからな」
「あ、はい」
シィルは頷いた。
ランスの言うとおり、傍にはラークが木にもたれかかる様にしていた。かなみが、ラークをそこへと安置させたのは判った。多分、何か合ったんだろう。シィルは、流石にノアと一緒に運ぶ事は流石に出来ない為、ランスの言うとおりノアだけを運ぶ事にした。……軽くラークにお辞儀をして。
――……そして、そこで、その先で見たのは。
「ユーリさんっ!! ユーリさんッッ!!」
倒れているユーリと、そして、そのユーリに縋りつき、泣いているかなみの姿だった。
そして、ユーリは、全く動く気配をみせなかった。
「……死んでるのか? ユーリ」
「そ、そんな……」
流石のランスも言葉が出ない。いつもの毒舌も息を潜めていた。
そして、シィルも思わず口元を抑えた。
何かあった、という事は判ってた。でも、まさか……ユーリが倒れているなんて夢にも思わなかったんだ。彼の強さは知っているから。……ユーリの事をお兄さんの様にシィルは思っていた、だから目に涙が溢れて
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