第3章 リーザス陥落
第40話 神威
[11/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
人ではない』
「(心得ているさ。以前呼んだ後にも聞いているし。それに、アイツの最大の脅威でもある無敵結界はもう《見た》。……後は何とかしてみせる)」
その声にゆっくりと頷く男。その顔には何処か笑みさえ浮かべていた。
『……この悠久の時、我を唯一、身に、《神威》をその身に纏わせる事が出来た人の子だ。死ぬなよ』
「(死ぬつもりは無い……俺には成さなければならない事があるからな)」
『ふふ……』
そう答えると同時に、男の身体は崩れ落ちるように倒れた。仰向けのまま倒れている。その後も暫く話は続いた。傍から見れば独りごとの様にしか見えないだろう。
「(アイツを仕留めなかった理由は何故なんだ?)」
『ふむ、意識があったのか?』
「(いや、はっきりしたのは呼ばれた時にだ。だが、そんな気がした)」
『……あの魔人。……娘は、ホーネットの魔の者だ。此処で失うには惜しい。アレを呼び起す為には、必要な者だからな』
「(……不可侵側だからか。成程、納得した)」
『頭も良く回る男だ』
そう言うと目を閉じる。
この存在は、この世界に要られる時間は極端に短い。あまり長くにい続けると、身に纏わせている者の身体がもたないのだから。
そして、何よりも あまり目立つ訳にはいかないのだから……。
〜リーザス前 街道〜
「う……」
サテラは まだ震えている。
だが、その震えを早くとめなければならない事をサテラは知っているのだ。あの強さは間違いなく リーザスを襲撃した3人の魔人よりも遥かに強い。何故、あの男が見逃したのかは知る由も無いサテラだが、今件を話す訳にはいかないのだ。魔人とは好戦的な者が多い。
2人も人間に対しては 勿論そうであり、蔑んでいるからこそだろう。
何よりも、自身が人間に敗れた、人外の強さを持っている人間がいると言う事を認めたくないのかもしれない。
「サテラサマ……」
「大丈夫だ。……シーザー イシス、アイツの事を誰にも話すなよ」
「デスガ……」
「いいから誰にも話すな。私達だけの秘密にしておけ!」
「ハイ、ワカリマシタ」
サテラはそう言うと、腰を降ろした。シーザーにもたれかかり 空を見上げた。
「アイツはなんなんだ……? なんであんな男が存在するんだ?」
考えるのはあの男の事。
初めて出会った時に既に何かを感じた。普通の人間としか見えなかったが……それでも何かを感じた。あの場にいる人間達の中でも異質な何かを。
「ちっ……、あの変なヤツにならなかったら、サテラが勝ったのに」
不思議とサテラは、もう二度とユーリに会いたくないとは思わなかったようだ。
何故だろうか?あ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ