第3章 リーザス陥落
第40話 神威
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!」
「いつまでもウジウジとしてるんじゃない、へっぽこ忍者」
「へっ……!! なんですって!!」
「ったく、ユーリユーリと……あんな童顔の何処が良いんだか判らんが、あのガキの心配をするだけ無駄だって言ってんだ。オレ様でしかアイツは倒せん。アイツがやられるとかありえん事で悩むくらいなら、さっさとその男を連れて外に出ろ」
ランスはそう言うと、ぶっきらぼうに入口の方を指差した。
かなみは、まさかそんな事を言ってくるとは夢にも思わなかったようで、きょとんとしていた。……が、次第に落ち着きを取り戻す。
そして、ランスの方を見て僅かに微笑んだ。
「驚いたわ……まさか、ランスに慰められるなんて」
「可愛いコにはオレ様は優しいのだ。ぐふふ、後で優しく抱いてやろう!」
「絶対にイ・ヤ! ……そうよ、ユーリさんならきっと大丈夫。ランスもユーリさんの事、信じてるんだ」
「馬鹿、そんなんじゃない。ただ ありえん事をありえんと言っただけだ。アホなこと言うんじゃない」
ランスは、そう言うとさっさとシィルの方へと戻っていった。かなみはそれを見送ると、ラークを背負い力を入れた。
「んっ……、ユーリさんなら、大丈夫。きっと大丈夫……」
そう呟いた後……、ラークを背負ったまま器用に狭い入り口を進んでいった。外の光を目指して。
さっきの光の中では、掴む事が出来なかった。でも、きっとその先で待っててくれていると信じている。……ユーリがきっと。
〜リスの洞窟前〜
かなみは、ラークを引きずる事無く、何とか外へと出られていた。時折振動は身体を当して伝わったと思うが、それは致し方ない。ラークも鍛えている冒険者だから そのくらいは大丈夫のようだ。
「ふぅ……、メナド。貴女と一緒に鍛えていたから今の私がいる……、貴女も、貴女もきっと助けるから。だから……お願い、もう少しだけ待ってて」
これまで一緒に鍛えていた親友の事も思う。
彼女と共に切磋琢磨していったからこそ、今の自分がいる。それはこれまでも、そしてこれからもずっと続いていくんだと、胸に誓っていた。リーザスを奪還し、そしてきっと彼女も無事だと信じて。
その為には、ユーリの力も借りなければならないだろう。迷惑をかけてしまうと言う罪悪感も勿論ある。……笑って頷いてくれたユーリの好意に甘えてしまっている部分もある。
……その全てを、自分の中の葛藤を全て甘んじて受け入れる。その代わり、自分自身も命をかけて、全力を尽くすと決めていたから。
「ユーリさん。一体何処に……」
ユーリの事を思うかなみ。
あの洞窟から一瞬にしていなくなってしまった為、何処へ行ったのか皆目見当も付かない。
だから、
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