暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第39話 襲撃の魔人サテラ
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 かなみはと言うと、ぐっと拳に力を入れ、気合を入れなおした。かなみの能力は勿論ユーリは信頼している。でも、この時に彼女を先頭にしたのはランスの思惑を察したから。

「悪い……な。シィルちゃん」
「い、いえ……、とても恥かしいですけど、私としても、それは賛成ですから」

 何やら言っているシィルとユーリ。ランスは益々面白くないようだ

「おいコラ! さっさと入らないか! 次はユーリとシィルの順番で入るのだ!」
「はいはい。了解」

 ユーリはそう言うと、先に素早く小さな入口を這って行った。

 そしてそのユーリの後をシィルが入る。そして一番後ろにランス。
 必然的にランスの目の前にシィルのおしりがある。狭い洞窟の入口の為、1人ずつしか入れないのだ。

「がははは! 目の前におしりとは良い光景だな。つんつんっ!」
「あんっ、ら、ランス様ぁ……」
「ほら やっぱりな……」

 ユーリは、直ぐ後ろのシィルの喘ぎ声を聞いてため息を吐いていた。

 ランスの性格的に、洞窟に入るのは≪ユーリ←かなみ←シィル←ランス≫の順番だろうと察していた。

 かなみとシィルなら恐らくはシィルを取ると思えるが 念には念を入れて、かなみを先に行かせたのだ。そして、ランスは自分よりユーリ先に行かせたくない(シィルのおしりを見せたくない)と思っているはずだから、

「ユーリさん、洞窟の中は広いですよ。とりあえず 入口付近は大丈夫です」

 先に入口の奥へと進んだかなみの声が響いてくる。そして、かなみが差し出す手も見えた。

「ああ、ありがとう」

 ユーリはかなみの手を掴み 引っ張ってもらった。

「本当に広いな。入口だけか……妙に狭かったのは」
「はい。そうみたいですね。一応奥の方には気配も感じますから、モンスターはいると思います」

 かなみは奥を指差してそう言う。確かに、モンスター独特の気配や、壁を反射して響いてくる唸り声のようなものも聞こえてくる。

「帰り木も持ってきてるし、大丈夫だろう」
「はい。……ユーリさんと一緒ですし(ぼそっ)」

 かなみは、後ろの方の台詞は限りなく静かに言っていた。そして、入口から聞こえてくるランスのいやらしい声とシィルの声も聞こえてきて。

「ユーリさん……、ひょっとして私の事、守ってくれたんですか?」
「ん? ま、かなみの実力を信じてたから先に行かせたと言うのも勿論在るぞ? ……後はこの順番が順当だろう。シィルちゃんはランスの事が好きだし、ランスの前にオレが入ったら暴れてへそを曲げかねないだろう?」

 そう言ってユーリは笑っていた。かなみは、直接的に言ってはいないけれど、守ってくれた事は明白だと感じていた。

「(やっぱり、優しいです……ユ
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