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第一章
ジャラーの悪戯
昔々のインドのお話です。インドにはジャラーという女神がいました。
ジャラーはとても大きな女神で起きるとそれこそどんな木よりも大きいのでした。けれど優しい女神様で皆からとても信仰されていました。けれどこのジャラーには一つだけ困ったことがありました。
それは悪戯が大好きだったのです。少し時間があると人間のところにやって来て子供を木の上にあげたりミルクを全部飲んでしまったりお婆さんを大きな声で驚かしたり。そんなことが大好きだったのです。
けれどその後で絶対に大きなお詫びをしてくれるので人々からは慕われていました。ジャラーの絵を飾っていれば色々ないいことがあるので多くの人がジャラーの絵を家に飾っていました。
インドのある国の王様ブリハドラタもそんな人の一人でした。彼は毎日ジャラーの絵に対して参拝をしていました。そのおかげか国はとてもよく纏まり王様も皆から慕われていました。けれど王様は一つだけ困ったことがあったのです。
「まだできんのか」
「はい」
「申し訳ありません」
王様には二人の御后様がいました。御后様達は申し訳なさそうに王様に対して言うのでした。
「まだ。できません」
「私もです」
「わしは何でも持っておる」
国は豊かで王様は皆から慕われています。まずは満足していたのです。
「しかしじゃ。一つだけ持っていないものがあるのじゃ」
困った顔で御后様達に言うのでした。
「子供じゃ。できんか」
「あらゆる御薬を飲んだりしていますけれど」
「それでもです」
やっぱり御后様達の返事は変わらないのでした。
「申し訳ありませんが」
「まだ」
「やれやれ、まだできんのか」
王様は子供がどうしても欲しかったのです。けれど二人の御后様はどちらも子供ができる気配一つありません。それでどうしたものかと困っていたのです。そんな王様のところにある日。ジャラーがやって来ました。
「王様、王様」
「むっ、何じゃ」
庭で果物を食べている王様のところにジャラーがその大きな身体でやって来ました。宮殿の庭にやって来た彼女は庭に立つ大木のようでした。
「ジャラー様か」
「そうだよ、困っているそうだね」
楽しそうに笑って王様に尋ねるジャラーでした。
「子供ができないって聞いたけれど」
「その通りなのです」
王様はジャラーに言われて困り果てた顔で答えるのでした。
「子供ができません。どうしたものか」
「王様はいつも私の絵に参拝しているよね」
その困り果てた顔になった王様に対してまた尋ねてきました。
「毎日。そうだよね」
「御存知でしたか」
「だって。王様の悩みだって知ってるんだよ」
ジャラーはにこにことして答えます。
「それだ
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