第3章 リーザス陥落
第38話 仕事は早い者勝ち
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ィルと直ぐに結婚するのかと思っていたが」
「アホ、シィルはオレ様の奴隷だ。それにオレ様は結婚する気は今の所さらさら無い」
「うぅ……」
「元気出して……シィルちゃん」
ランスの言葉を聞いて涙ぐんでしまうシィル。
その彼女を慰めるかなみ。想っている人から言われてしまったらショックだろう。それはかなみにも判るから。ランスが相手、だと言う事、それは全然理解出来ない様だが。
「そりゃ残念だ。俺はお前さんの結婚式でクソ危ないスピーチするのが楽しみなのに……」
「それ以前の問題として、結婚をしたところで絶対にお前は呼ばん」
「……キース。似たような話を色んなヤツにするんじゃない!」
「お前らにしか、してないって。それにユーリだって同じだ。とっとと結婚くらいしろ。そして、呼んでくれ。色んな意味で危ないスピーチを盛大にしてやるから」
その言葉を聞いたかなみは、まるで、『耳がでっかくなっちゃった!』って見間違える程大きくなって動いた気がする程、全神経を総動員して耳を澄ませた!
「しろ、と言って出来るもんじゃないだろうが。オレは異性にモテた事など…………」
ユーリは一瞬言葉を詰まらせた。誰を思い浮かべたのだろうか?思い浮かべる相手を考えたら嫌な汗が背中を伝っているのを感じていた。
「……っ!?」
かなみは自分の事がわかってくれたのだろうか?とも思えていた。だが……それは間違いだという事が直ぐにわかる事になる。
「おおっ!? 相手がいるのか??」
「……こっちの話だ。ちょっと、どっかの《規格外の馬鹿》を思い出しただけだ。懐かれたみたいでな。……そんな大例外はあっても、オレは基本的にモテたりはしない。だから、予定は全く未定だ未定。後ランス同様、仮に結婚式をしたとしても、お前は呼ばん」
「ぅぅ……」
かなみは肩を落とした。
ユーリの言葉を聞いて、自分ではないとはっきりと判ったからだ。自分の前で自分の事を馬鹿とか、規格外とかは言わないと思える。それに、馬鹿……と思われてしまってるのなら悲しいが、規格外では決して無いと思えるから。それ以上に想いを伝えてる人が他にもいる事……その事実を知ってしまって……。
「か、かなみさん。元気出してください」
今回はシィルがかなみを励ましていた。随分と仲が良くなった者だ。……似た者同士なのだろう。互いに想い人に気づいてもらえないと言う意味では。
「お?ならオレが紹介をしてやろうか?」
「要らんわ!」
「がはは、コイツはホモだからな。女には興味が無いのだ!! そうなのだ!!」
「何? そうだったのか、ユーリ」
「違うわ!」
ランスは、まるでそうであって欲しいと言わんばかりにそう言っていた。……万が一にでも、リーザスで先を越されてしま
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