第3章 リーザス陥落
第38話 仕事は早い者勝ち
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望みですか?」
「おう! その通りだ」
ランスは、腰に手を当ててふんぞり返るように立っていた。
「あの一戦だけで、レベルが上がるようなら苦労なんてしないわよ……」
かなみは、ランスの方を見ながらそう呟く。
自分自身これまでに、訓練に訓練を経て、更に軍の副将との模擬戦も行ってレベルを上げてきたのだから。
「ふふ、本当に頑張ってるみたいだな」
「は、はい。ユーリさん。 ユーリさんが私の目標……ですから」
「まぁ、オレは剣士だから忍者の君の目標になるかは判らないが、そう思ってくれてるのは嬉しいよ。オレも頑張らないと、って刺激にもなる」
ユーリはそう言って笑っていた。
「あ……」
かなみはその笑顔を見れて思わず顔を赤くさせていた。
その赤くなった顔をユーリに見られそうになったが、何とか誤魔化す事が出来たようだ。自分の気持ちを知ってほしいが……でも、まだ恥ずかしさの方が勝っているから。
「と、ところで、ユーリさんは今のレベルはどれくらいになられたんですか?」
「ん……、そうだな」
ユーリは腕を組み考える。
あのカスタムの事件以来、レベル屋に行っていない事実を思い出していた。ヒトミに自分の事を救いの神と形容されてから、次は専属のレベル神がいても良いかと思っていたのだが……。
「ぐぬぬ……」
「ら、ランス様……流石に1回くらいでは難しいですよ」
「うるさい!」
「ひんひん……」
そんな時ランスは、何やら不機嫌だった。シィルは必至にフォローをしているが、ランスに頭を叩かれてしまっている。
「あ、ユーリさん。お久しぶりですね」
ランスのレベルアップの儀式を終えたウィリスは、ユーリを見かけて声を掛けた。
「ああ、そうだなあのカスタム以来……だったな。ウィリスとも」
ユーリも答えるように手を挙げる。この機会にレベルアップの儀式、そして専属神を得ようとユーリは思った。
「すまない。オレの方も構わないか?」
「はい。お安い御用です。では、いきますねー。うぃりす、ふじさき、しーろーど……うーら、めーた、ぱーら、ほら、ほら、らん、らん、ほろ、ほろ、ぴーはらら!」
何処か、懐かしささえ覚えるいつも通りの呪文を唱えるウィリス。
レベルアップの儀式、その事自体も大分久しぶりの事だ。上がっているかもしれない期待感。この感覚も懐かしいとユーリは思っていた。
「(ユーリさんはどのくらいになってるんだろう……、確か以前は45、だったかな? でも、ユーリさんくらいの高レベルだったら、1上げるのも凄く大変だと思うし……)」
かなみは、ユーリのレベルに興味津々のようだ。目標としているからこそ、当然だろう。そして、結果が……。
「………
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