追憶
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ない。今は大人しく休んでおこう…………。
翌日、無限書庫で元気に挨拶した途端、鬼気迫る表情でユーノ君や司書の人達から調べた後の資料や本の後処理を押し付けられた。これまでサボってた分のしわ寄せがいっぺんに圧し掛かってきたかの如く、あくせくしながら大量の本を運びまくる私達の仕事を、昼休憩の時に話したらなのはちゃんは苦笑いしていた。
「にゃはは……はやてちゃんも災難なの」
「本を読むのは好きなんやけど……この仕事続けてたら運ぶのは嫌いになりそうや。ま、これまでのツケが回ってきたと考えれば、納得はいくんやけどね。それに私に足りない腕力を鍛えるにはちょうど良いし、疲れるけど否定的ではないなぁ」
「う〜ん、でも運んでばっかりだと退屈じゃない? だから後で一緒に奥へ潜ってみようよ、ちょうどいい気分転換にもなると思うし」
「無限書庫の奥かぁ……面白そうやけど、ユーノ君が許可を出してくれたらな。ほら、勝手な行動しとったら私また怒られそうやもん」
「ユーノ君なら多分大丈夫じゃない? それに駄目でも、私が言ったら許可ぐらいすぐ出してくれるよ」
「へ? なんやなのはちゃん、私がおらんうちに何かあったんか?」
「ちょっとね。昨日、探索しながらユーノ君と色んな事を話してたの。ジュエルシード事件の時、私達は地球を守るために力を合わせはしたけど、お互いの事を知ろうとはしていなかったから。それですれ違いが酷くなる前に、心から分かり合おうとしたんだ」
「ほほう……? それでユーノ君とどんな話をしたん?」
「えっとね、好きな食べ物は何かとか、スクライアの集落はどんな所なのかとか、そういう話。まぁ、特に大した話はしてないけど、それでも久しぶりに色んな事を話せたから楽しかったの」
「微笑ましいなぁ、お二人さん。こんな状況なのに……いや、こんな状況だからこそか? ラブロマンスの芽生え、もっと近くで見守りたいわぁ♪」
「にゃ!? そ、そんなんじゃないってばもう、からかわないでよはやてちゃん!」
「あはは! やっぱいじると可愛いなぁ、なのはちゃんは♪」
でもここぞという時の彼女の芯の強さは、誰もが認める程だ。だからこそ、なのはちゃんは強い……。私には無い、確かな強さを持っている……。
「羨ましいなぁ……」
「へ? どうしたのはやてちゃん?」
「いや……何でもないよ」
「???」
きょとんと首を傾げるなのはちゃんやけど、彼女はそれでいいんやろうね。とりあえず思い立ったが吉日って感じで、休憩の間にユーノ君に探索をしてみたいと進言すると、案外あっさり許可をもらえた。どうも午前中に一生懸命本を整頓してくれたから、午後からは別の事を頼もうと思っていたらしい。向こうにとっても渡りに船やった
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