追憶
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でいた。
でも違った。今の私は全然役に立たない無力で貧弱な存在。もしここにサバタ兄ちゃんがいたとしても、彼にとって私はまだまだ庇護する対象……味方ではあるが、戦力には数えられない子供。隣で戦うどころか、守られるだけの非力な小娘。
そう……私は、弱者だ。だから……強くなれる力が欲しい。皆に並び立つ……いや、皆を守れる程の圧倒的な力が欲しい!!
「強くなりたい……! もっと……もっと……! そのためなら私は何だって……!」
「主……一ついいですか? 我らヴォルケンリッターはあなた様の命があれば、どのような敵であれ打ち倒す所存です。例えイモータルであろうが、絶対存在であろうが、一声命じて頂ければ必ずやその首級を捧げましょう」
「しかし……そんな私達はかつて、主はやてと兄様に出会うまでは悪夢に囚われていました。終わり無き戦いに縛られていた私達は、主達のおかげでその宿命から解放されたのです」
「はやてが見ず知らずのあたしらを温かく家族に迎えてくれた、その優しい心のおかげであたしらは救われたんだ。だからさ、はやてにはその心を失ってほしくねぇよ」
「私達を解放してくれたはやてちゃんが、今度は力にとらわれるなんて、そんなの悲し過ぎるわ。だからはやてちゃん、あなたが元来持っているはずの大切なモノまで見失わないで」
「大切なモノって言われても……優しさじゃあ、やっぱり強くなれへん。弱いままじゃ誰も守れへん……! 守れなきゃ意味が無いんや! だから……どうしても強くなりたいんよ……!」
皆の気持ちもわかるけど、今の私では何も守れない。例え心が黒く染まろうと、私は強くならなければならん。じゃないと、やっと取り戻した温もりが……奪われてしまう。そんなの絶対イヤや。そのためなら、何でもやってやる……!
「ありゃりゃ、ちょっと休憩ついでにヤガミの様子見に来たつもりが、どうも見過ごせない状態になっているみたいだね」
「あら、私はとっくの昔に想定していたわよ、ロッテ。実際、ヤガミの状況的にこうなる可能性は十分考えられたもの」
「うへぇ……また説教すんのぉ? こういう役回りしかしてない辺り、貧乏くじばっかり引いてるなぁ私ら」
「面倒だけど人生の先輩なんだから仕方ないわ。ま、今は先にしておくべき事があるでしょう?」
「あ、そうだった。封印方法はまだ見つかってないんだし、あまり悠長にはしてらんないからなぁ」
病室に唐突にやって来たリーゼ姉妹だが、話の内容的にどうやら本当に顔を見にきただけのようだ。しかしこれは好都合かもしれへん。
「リーゼロッテさん、リーゼアリアさん、折り入ってお願いがあります。私を鍛えてください!」
『却下』
「即答やと!? ど、どうしてですか……!」
「さっき言った様に
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