追憶
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とは異なる存在なので、これまで誰も開ける事が出来ませんでした。しかしその分、仕掛けに魔女の力が伝わりやすいという事も意味するので、こうして澱みの世界から思念を送る事で無事作動させる事ができました。なのでここから戻った後は、門が通れるようになっていますよ」
「はぁ〜そうなんか……、……あれ? じゃあなんで私の悩んでた事がわかったん?」
「ヴァナルガンドと共に眠りについてから、私にも色々ありまして……。簡単に言えば幽霊の話し相手が出来たと言いますか……その方から様々な現世の情報を教えてもらっています」
「まぁた幽霊かいな。アリシアちゃんの件と言い、病院の件と言い、そこらじゅうで幽霊自由に活動し過ぎやろ……。ん〜とりあえずその幽霊から、私の事を聞いたって訳なんやな?」
「はい。そのおかげであなた方の心情も、私がいなくなってからサバタ様がどのように生きてきたのかも、全て把握しています」
「という事は、今サバタ兄ちゃんがどこにいるのかもわかっとるの?」
「はい……。そしてサバタ様の命がどれほど危うい状態なのか、それも把握しています」
「危うい? そういえばさっき、私の事を“サバタ様の命を蝕む者”って……。一体……どういう意味なんや?」
「……すみません、仕掛けが解除された事でこの空間の維持がこれ以上できないので、詳しく説明している時間がありません。急ぎで申し訳ありませんが後で高町なのは様にも、私から謝罪の意をお伝えしておいてくれませんか?」
「それは仕方ないから構わへんけど……、なんでわざわざこんな事をしてくれたん? ヴァナルガンドの思念に抗いながら、なんでそこまで私達のために尽くしてくれるん……?」
「サバタ様が守ろうとしている命を、希望を未来に繋ぐためです。私に出来るのはここまでですが、生きているあなた達はもっと多くの事ができます。今は出来なくても、いつか為し遂げられる……その可能性を、私も信じているのです」
「カーミラさん……」
「さあ、行きなさい。ここはあなた達のいるべき場所じゃない、あなた達が生きて未来を作る世界へ……お帰りなさい……」
そう言ってきたカーミラさんから優しい光が発せられ、私の視界を覆う。一瞬心地よい感覚を味わった後、再び目を開けると……私は門から光が出て来た時と同じ位置に立っていた。そして隣に視線を送れば、あの場所から席を外していたなのはちゃんも帰って来ていた。お互いに石化の痕跡は微塵も無い……、あの出来事が幻だったんじゃないかとも一瞬思えたが、彼女が眼を覚まして私の顔を見た時にとても悲しそうな表情を浮かべた事から、あれは本当にあった事だと改めて確信した。
それなら……まずやらないといけない事がある。
「は、はやてちゃん……その……」
「ごめんなさ
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