追憶
[14/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いていない……」
「そんなの……ある訳が……!」
「あなたの力は戦況を俯瞰して見れるようになって、初めて真価を発揮する。力とは何か……? 相手を滅するためのものと考えているのであれば、それは間違い……。さあ、考えなさい……この私を倒すには、どうすればいいのか!」
考える……? 考えただけで倒せるものなら、最初からそうしとる。……いや待て、私は……真剣に考えたのか……? 思い付かない理由をエナジーが無いからだと押し付けて、本当は思考停止に陥っていたのではないか?
……そうか、私は……間違っていたんやな……。勝つという事……それは自分の力で倒す事を意味しているんじゃない。仲間の力を有利な状況で使わせたり、相手の力を利用して反撃したり……色々ある。そうや……私には戦術がなくとも、戦略がある! なのはちゃん達は目の前の相手に集中しやすいけど、私は全ての敵や状況に意識を向けられる。これが……これこそが私の力! 皆に追い付くための、私だけの力!!
「どうやら……吹っ切れたみたいね」
「ああ……待たせたな。こっからは私のターンや!!」
「では……その言葉が真か否か、確かめさせてもらう!」
戦闘再開。今度はあの太陽ミラーという装置に当たった弾がどう動くのか、戦略眼で情報を集めていく。私のショットも当たれば直角に偏向するから、彼女の石化弾が当たる前に太陽ミラーの向きを変えたり、スプレッドで破壊したりして、上手く戦況を誘導していく。そしていくつもの太陽ミラーに反射されて、石化弾が思惑通り彼女の尻尾に直撃した瞬間、彼女はいかにも大ダメージを受けた様子で苦しんだ。
「よし、この調子や!」
「………」
その後も尻尾攻撃やコカトリスの参戦もあったが、戦略を交える事で全て対処が可能だった。そうして数回の石化弾返しがヒットした時、徐にカーミラは変身を解除、会った時の赤いワンピースの姿に戻った。同時に私の左肩の石化も解除され、元の血の通った身体に戻っていた。
「………もう……十分ね。あなたの力は、確かめさせてもらいました」
「え?」
「迷いは晴れましたか、八神はやて様?」
「あ、ああ……おかげで劣等感は吹っ切れたけど……、っ!? まさか……これまでのは演技やったん!? ってことは、あなた本物のカーミラさんなんか!?」
「すみません、どうしても見過ごせなかったので……差し出がましい事をさせていただきました」
「な、なんつぅか……世紀末世界の人間にはホンマかなわんなぁ……。ちゅうかヴァナルガンドと共に眠っとるはずのあなたが、どうやって……」
「この“追憶の門”は、過去の出来事を限りなく近い形で再現できる仕掛けが施されていましたが、解除するには魔女の力が必要だったのです。あなた方魔導師は魔女
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ