追憶
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トちゃんとなのはちゃんのように強くない。魔導師としても、戦士としても、人間としても、私は二人に劣っとる! なのはちゃんだけやない、マキナちゃんにすら今の私は全く敵わない! こんな何も出来ない弱者なんか戦場に出てくるなって言いたいんやろ!?」
「そこまで言ってないよ! 単に私は、誰にも傷ついて欲しくないだけ! この前フェイトちゃんがアンデッドと戦って大怪我をして、凄く辛かった。大切な友達がいなくなるんじゃないかって、とても怖かった! だからもうあんな気持ちは味わいたくないの!」
「それはなのはちゃんの都合やろ! 私には私の都合がある、私かて家族や友達を失いとうない! そのために……皆を残酷な世界に奪われないために、私は戦うと決めた! なのになのはちゃんは私に戦うなって言ってきた! 私が決めた道を、なんで友達のはずのなのはちゃんが否定してくるん!?」
「友達だからだよ! 友達だから、守りたいんだよ!」
「それは私も同じ、なのはちゃんや皆を守りたい! その想いはなのはちゃんが私達に抱いてる気持ちとおんなじや! そう、おんなじやったのに……やっぱり……なのはちゃん達と違って私に力が無いから、最初から戦う資格が無いんやな……」
「は、はやてちゃん……」
「ええよ……どうせわかってたことやし。……行くなら行けばええ、もうワガママは言わへんから……」
「ワガママって……そんな自虐的な言い方しなくても……」
「慰めはいらん。全部事実なんやからな……」
無力さを噛み締めて俯いた私に、なのはちゃんはかける言葉が思い付かず、伸ばした手を途中で降ろしてしまう。彼女は暗い表情のまま扉の方へと歩いていき、扉を開ける前に一度私の様子を見てから入って行った。
「……あ〜あ、何やってんやろ私。途中から頭に血が昇って、つい喧嘩してもうた。……はぁ……なのはちゃんをあんなに落ち込ませて……私、大馬鹿やな」
意地を向けるベクトルを思いっ切り間違えたな。友達を守るどころか、傷つけてどないすんねん。私が何のためにここにいるのか、根本的な部分を忘れたらあかんのに。
「後で……謝らないとな」
扉の方を向いた私は、その先で戦っているであろうなのはちゃんの事を思う。結局イモータルが相手やと、私は役立たずやなぁ……。これじゃあラタトスクと戦う以前の問題やん……。
「きゃぁあああああああっ!!!!」
「ッ!?」
悲鳴!? しかもこれは、なのはちゃんの……! ま、まさか!
嫌な予感を抱いた私は急いで通路の奥にある扉を開け、中へ飛び込む。そしてそこには信じられない光景が広がっていた。
「とうとう来てしまったのね……。あなたさえ来なければ……こんな事にはならなかったのに……。……さようなら、魔法少女」
赤い
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