焔の陰には “固定” する腕
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数秒……そして、勝者を決める一戦の中の一戦が幕を開けた。
――――筈だった。
「!?」
『こいツハ!?』
「〔ジョオォォ……〕」
突如感じた、すぐそこに『炎』が現れたと錯覚させる熱量と、サーストの時よりは数段低くとも向いの “腕” のエレメリアンとは明らかに核が違う、余りに『重苦しい』圧力が、グラトニーの体をなぜたのだ。
“腕” のエレメリアンも一瞬ビクついたが、すぐに落ち着きを取り戻して、遥か遠くを無い目で見やっている。
これは言わずもがな―――目の前のこいつよりも格上の単純感情種が、この付近に現れたと言う事に他ならない。
目的など、考える事でもなかろう。
「不味い……早くしないと―――」
「〔ジョオオオッ!!〕」
「……っ! 邪魔!!」
“腕”のエレメリアンは左腕を支点に右ストレートからジャブを繰り出し、外れるや否や倒れ込みながらのタックル、そして太い左腕での薙ぎ払い。
グラトニーは叩きつける様にして、全ての攻撃を弾いて行くが、体格差と『固定と強化』の能力で溜めていた力を利用され、今居る位置から後ろへ飛ばされる。
そのまま相手が腕を背後に叩きつけてみれば、巨大な柱がバネ仕掛けの如く跳ねあがり、“腕” のエレメリアンはその柱にも腕にも濃い柿色のエネルギーを注入し始める。
何をするか考えるなど愚問、普通に……しかし遠慮なしに投げてきた。
「ジョオオオオ―――《ブレーク=キャノン》!!」
「邪魔なんだっ……! 《風砲暴》ああぁぁっ!!」
お互いの遠方最大攻撃が、またも中央でぶつかり合った。
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