焔の陰には “固定” する腕
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放たれた後に叫ばれた所為で反応が遅れ、グラトニーは真正面から思い切り喰らってしまう。
泥まみれになりながらも風で強引に停止させて、未だ信じられないモノを見る目で『固定』された泥の上に立つ、“腕” のエレメリアンを見た。
「……喋れるようになってる……」
『マア、別に動物食べたらその言葉しか口に出来ネェ、なんて構造はしてないんだガヨ……どんだけ食ったんだアイツ』
「《ブレーク=スナイプ》!」
「! 《風砲暴》!!」
言いながらも螺旋回転を加えた弾丸が、“腕” のエレメリアンより投げ放たれてくる。
対処すべく突発的に放たれる《風砲暴》ではあるが、充分に威力が活かせる距離では無い事と、チャージ量が足りなかったせいで、相手の貫通力もあり普通に穿たれてきた。
「《風刃松濤》!」
慌てることなくカマイタチで一刀両断し、足を降ろすと同時に……柿色の塊が弾け飛んでくる。
「〔ジョオオオオオアアアアッ!!〕」
「……喋るか叫ぶかどっちかにしろ……!」
「《ブレーク=マグナム》!!」
「《風撃颯》!!」
右方からは振り出した際の威力を『固定』し、強化分の威力が更に乗っかる柿色の拳が―――
左方からは形を持っている上に、柔らかくまた堅い不可思議な暴風を纏った紫色の拳が―――
丁度お互いの真ん中にあった大岩を粉々に粉砕し、轟音を立てて勢いよくぶつかり合った。
肝心の威力で勝ったのはグラトニー……しかし硬度で勝ったのは “腕” のエレメリアンの方で、お互いに大なり小なりダメージを負い、後方へと吹き飛ぶ様に退避する。
『固定』など出来ないグラトニーは、その所為で所々泥をかぶってしまった。
「〔ジョオアアアアア! ラララアアアアアアア!!〕」
「はあああああっ!!」
次に行われるのは、片方は咆哮の如く、片方は獣の如く、マシンガンやらミニガンもかくやの乱射で繰り広げられる弾幕戦。
明らかに以前よりも密度が濃く、威力も上がった柿色の弾幕無いを進みながら、グラトニーは球に邪魔され直撃こそしないものの、左腕を掲げて確実に相手へ風の弾を命中させる。
しかし、大きく開いた弾幕の隙間を通ろうものなら、そこへ待ってましたと大きな岩塊がすっ飛んでくる為、中々近づけないでいた。
だからといって慎重なままで居ても、弾幕らを後押ししながら同じくドデカイ塊が飛来し、均衡状態は続いて行く。
やはりと言うべきか、今更と言うべきか、優勢に運べてはいれど一戦目よりも確実に苦戦している。
消耗戦と洒落込むにしたって、このままでは不確定要素で逆
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