焔の陰には “固定” する腕
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レッドと、焦りを強引に押し殺して飽くまで冷静に努めようと『ウェイブランス』の穂先を向けるテイルブルー。
この行動や睨めつけに対し、アルティメギルのエレメリアン達でも、彼女等の容姿が可憐な為か怯えこそしなかったが……それを抜きにしたって彼女等の敵意籠る視線を受けて尚、相手は言葉も発さず身じろぎ一つしない。
余所見をする余裕を見せられる始末だ。
つまり……それ程までに力の差があり、彼女らなど最早自分の眼中に入れるまでもないと言う事なのか。
「くっ……やってみなけりゃ分かんねぇだろ!!」
「ええ! 行くわよ!!」
お互いの得物を掲げ手加減抜きのフルスロットルで、焔の大剣と激流の槍をぶつける。
棒立ちだったのが災いし、相手のエレメリアンは真正面から喰らってしまう。
得物に込めた力を示すように、赤と青の大爆発が巻き起こり、辺りを砂煙で覆い尽くした。すぐに風が吹き、砂を散らして目の前に齎した結果を見せて来る。
「Es apgalvojot reiz……Mans v?rds ir Shinji『Ureg』」
焔の手の指先でつままれた、彼女等の刃を。
「??iet noz?m? mudin?t」
次の言葉を聞いた直後、テイルレッド達は猛烈な火炎の渦をくらい、宙空高々に吹き飛んだ。
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数分前。
雲が晴れ渡る空を流れゆく平和な陽気漂う中、瀧馬は周囲の人物と同様家の中に居るのはもったいないと思ったか、ナップザックを手に外へと出かけていた。
例外に属する者もいるだろうが、少なくとも学生にとっては紛う事無き休日であり、普段は呼び込みの声が偶に響くだけの商店街も、今は従業員だけでなく老若男女で溢れかえり、人の波を遠方まで形作っている。
強くは無く、寧ろ心地よいと感じる日の光を受けながら、瀧馬は出店で物を買い口に入れつつ、ずんずんと歩き続ける。
しかもその足取りは賑やかな人通りの多い場所から、閑散とした殆ど人の居ない場所へと向かっている様で、用事でもあるのか迷うことなく脚を進めて行く。
やがて地面からアスファルトが無くなり、舗装されていないむき出しの地面ばかりが続く、すぐそこに森林地帯が広がる場所まで来たときだろうか。
不意に……虚空へ視線を向けた。
そして、躊躇う事無く言葉を紡ぐ。
「ラース、此処まで来りゃあいいだろ……教えてくれ」
『あイヨ、相棒』
どうやら瀧馬はただ遊びに外へ足を運んだのではなく、
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