暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story5:あの戦いを見ていた者達
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よ、元はと言えばこいつらが仕掛けてきた喧嘩だ! それなら治療してやる必要なんて―――」

「アグモン、チビモン。俺は別に…情けで治療してやろうって訳じゃない。怪我をしている、だから治す。それだけで理由にならないか?」


 そう言いながら、タクミはアグモンとガブモンの両肩に手を置いた。


「“生きている命”を大切にすることなんて、当たり前のことだろ。だからさ…死ぬとか、消去(デリート)とか…簡単に言わないでくれよ。もっと自分の“命”を、大切にしてくれよ。お前達は……“生きてる”んだから」

「「……ッ!!」」


 諭すような声で、柔らかい表情で。アグモンとガブモンに、語り掛けるタクミ。それを聞いた二体は、ハッとした表情を浮かべた後首(こうべ)を垂れた。


「……だが、それでも…」

「怪我の治療は、いい」


 しばらく考えてから、二体はやはりタクミの手を払い、治療を拒否した。
 タクミはしばらく視線を下げる二体を見てから、「わかった」と言って立ち上がった。


「じゃあ、俺達の仲間にならないか?」

「「…はぁ!?」」

「お前らのこと、ほっとけそうにないんだ。だから、一緒に来ないか?」


 しかしタクミは、仲間の勧誘へと話の主旨を変えてきた。それを聞いたアグモン達は、更に驚きの声を上げた。
 チビモンやミノモンも驚くなか、タクミは続けてアグモン達に手を差し出した。


「―――それこそ論外だ」

「俺達は人間とつるむつもりはない!」


 しかしアグモン達はまたもタクミの手を払いのけた。これ以上言っても聞きそうにないその態度を見て、タクミは「そうか…」と呟いて手を引いた。


「それじゃあ、俺達は行くよ。ちょっとばかし急いでるから」


 タクミはそう言うと、手を振って別れを告げた。テリアモン達も、その後を追う様に動き出す。
 途中でチビモンが、「あっかんベー」をアグモン達に向けてやっていたが、それに気づいたタクミが拳骨を一発プレゼントした。


「―――テリアモン、一つ聞いていいか?」

「……何かな?」


 しかし一番後ろにいたテリアモンに、アグモンが喋りかける。テリアモンもアグモンの方へ振り返り、ちゃんと聞く素振りを見せた。


「……なんでお前は、あの人間についていくんだ? 強くなるためか?」

「違うよ、ボクはそうじゃない。まぁ、チビモン達はそのつもりみたいだけど…」


 テリアモンはそこで一旦言葉を切り、続けて言った。


「―――“パートナーだから”だよ。タクミがボクをパートナーと言ったから、ボクもタクミをパートナーだと思うし、一緒にいようって思うんだ」


 キミ達もパートナーを持つと分か
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