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DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story5:あの戦いを見ていた者達
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てしまえばいい。そういう考えに至ったのだ。
 それで自らの身体を焼くことになってしまうが、多少なら致し方ない。そう思い炎を口に溜めこみ、吐きだそうと―――


「させない、“パインコーン”!」

「ガッ!? こ、この…やめ…いたッ!?」


 だがそれをさせまいと、まだ近くにいたミノモンが自らの必殺技を使用。松ぼっくり状の硬い物質を無数に投げつけ、ガブモンの気を逸らせようとしているのだ。
 これが意外とこたえたのか、ガブモンは炎を吐き出さずにミノモンから離れようと、足を動かし始めた。


「待ってました!」

「なッ、お前は…!」


 しかしその先には、先程手に付いた糸に苦戦していたチビモンとタクミが立っていた。まさか、誘導されたのか!?


「いくぜ、“ホップアタック”、“ホップアタック”、“ホップ”…“アタック”ゥゥゥ!」

「ぐはッ、ぐ、がぁぁぁ!?」


 ミノモンの攻撃で誘導されていたことに気づいたガブモンであったが、時すでに遅し。チビモン渾身の必殺技“ホップアタック”の三連続攻撃が全て決まり、ガブモンはEDENのデータの壁まで吹き飛ばされた。


「ガブモン!」

「隙あり、“ブレイジング”、“ファイア”!」

「しまっ―――ぐはぁ!?」


 ガブモンがやられてしまった事に動揺したアグモン、その隙を狙ってテリアモンが必殺技を命中させた。
 熱気弾が命中したアグモンは、ガブモンの近くまで飛ばされる。二体とも、満身創痍なのは目に見えている。これで終わりだな、とタクミは思ったが……


「―――まだ…まだだ…」

「まだ、やれる…!」


 アグモンとガブモンは、ボロボロの身体でも立ち上がって、タクミ達を睨みつけた。彼らの言った通り、まだやれる、まだ戦えるという意思が、彼らの目の奥に感じられた。
 その意思を秘め、タクミ達に向かって歩き始める二体。しかし、やはり限界だったのか、その途中で倒れてしまう。それを見てタクミは、二体の下へ駆け出し、それに付いて行くようにテリアモン達も駆け出した。


「……テリアモン、こいつらに“ヒール”を」

「なッ…!?」

「何言ってんだ、タクミ! こいつらは…!」

「うん、いいよ〜」


 タクミはテリアモンの持つ技の一つ“ヒール”で、彼らの身体を癒してやろうと考えていたのだ。その言葉を聞いたアグモン達とチビモンは驚き、テリアモンはなんの疑問もないかのように、アグモン達の下へ向かう。勿論治療の為だ。

 しかし技を使おうとしたテリアモンの手を、アグモンは振り払った。


「ふざけるな…情けなんかいらない! 俺達は負けたんだ! さっさと…消去(デリート)すればいいだろう!?」

「そうだ
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