暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story5:あの戦いを見ていた者達
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 そう言ったガブモンは、頭部にある角と鋭く尖った爪を使って、チビモンに攻撃を仕掛ける。しかしチビモンは自慢のジャンプで避ける、避ける!
 攻撃が当たらない事に苛立っていたガブモンは、遂にしびれを切らし少し大振りの攻撃を仕掛けてきた。だがチビモンはそれを待ってましたと言わんばかりに、ガブモンを飛び越えるくらいのジャンプを見せる。


「えぇいッ!」

「ぐぉ…ッ!?」


 すぐさま振り返るガブモン、しかしチビモンはそこへ自慢の跳躍を利用した頭突きを放つ。両手でガードしたガブモンであったが、勢いのあまり数歩後ろに下がってしまう。


「この…ッ!」

「わわ!」


 だが流石は成長期、ガブモンはすぐさま反撃として爪を振るう。チビモンも慌てて後ろにジャンプして、その攻撃を躱した。
 ならその着地した瞬間を狙って…。ガブモンがそう思い、駆け出そうとした―――その瞬間、


「食らえ!」

「ッ、何!?」


 ガブモンの背後から、ミノモンが糸を吐き出したのだ。ミノモンの急襲に驚いたガブモンは、反射的にその糸を跳んで避けた。
 しかし、それが彼らの狙いだったのだ!


「チビモン!」

「おう! おおおぉぉぉぉ!」


 ミノモンが放った糸は、チビモンへと向かっていた。だがただ命中する訳ではなく、チビモンは自らの両手でミノモンの糸を掴んだのだ。
 チビモンは幼年期にしては珍しい、両手のあるデジモンだ。それにより物を掴む事が可能となるのだ。

 そして糸を掴んだチビモンは、その糸をガブモンの着地点の方へと投げるように引っ張った。


「な、何っ!?」


 空中でその行動に驚いていたガブモンであったが、今更着地点を変えられる筈もない。そして着地したガブモンに、遂にミノモンの糸が絡みついた。
 しかしそれだけではない。糸を吐き出したミノモン本人が、未だに糸を千切っていないのだ。そうなれば、どうなるか想像できるだろうか?

 ガブモンを中心とし、遠心力を利用しミノモンの糸がミノモンを連れたまま、ガブモンに巻き付き始めたのだ!
 これこそ、タクミが考え出した作戦。チビモンとミノモンの特徴を存分に生かした、ガブモンの動きを封じる一手だったのだ!


「くッ…この…!」


 そして遂に、ミノモンが吐き出した糸が全てガブモンの身体に巻き付き、ガブモンは身動きが取れなくなってしまった。
 それを確認してから、ミノモンは糸を千切ってガブモンから離れ、チビモンも糸から手を離し―――いや、ちょっとくっついてしまい、タクミと一緒にはがそうと必死になっていた。


「こ、こんな糸…俺の炎で!」


 しかしガブモンは諦めていなかった。爪で切れないなら、炎で焼い
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ