暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story5:あの戦いを見ていた者達
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ば突破できるか思案していると、デジヴァイスに通信が入った。


『やれやれ、ようやく通じたな』

「暮海さん。どうしたんですか?」

『どうしたもこうしたもない。キミの追跡情報をロストして、再検索していたんだ…今度はどこに迷い込んでいたんだ?』


 通信相手は暮海さんだった。どうやら先程御神楽さんのところにいたとき、見失ってしまっていたようだ。
 取りあえず、先程御神楽さんのデジラボのところにいた時の事を、一通り説明した。


『―――そうか、御神楽ミレイに会ったか』

「? 暮海さん、御神楽さんを知っているんですか?」

『少しばかり、な。それにしても、自然の成り行きの中で、彼女にまで出会うとは…まったく騒々しいな、キミの“運命”とやらは』

「はぁ……」


 運命か…なんかそう言われても釈然としな―――ちょっと暴れないの、っていうか勝手に肩に乗って画面覗かないの!


『さてと…ともかく、本来の目的を遂行するとしよう。まずは、そのファイアウォールを突破する必要があるな』

「でも、どうやって…」

『簡単な話だ、ハッキングすればいい』

「ハッキング…? あ、そっか…!」


 暮海さんに言われ、デジヴァイスに触れて操作する。…やっぱり、あった。これだな、御神楽さんのくれたハッキングスキルは。
 で、後は…うん、ウォールクラック。ファイアウォールを突破する為のハッキングスキルだ。使用もできる。

 そして壁に向けて手を翳し、ウォールクラックを選択して使用。黄色い壁はどんどんと崩れていき、やがて消えていった。


「そうか…ハッキングもこんな風に使えばいいのか」

『ふむ、流石に飲み込みは早いな』

「ありがとうございます。で、次は…」

『あぁ、こちらでクーロンの入り口一帯をスキャンして、めぼしいジャンクデータにマーキングをしておいた。ジャンクデータが、キミの身体のパーツになる。探し出して、直接取得するんだ』

「はい、わかりました」

『しかしなにぶん即席の仕事だ、いささか精度を欠くかもしれないが、そこはキミの足と能力でカバーしてくれ。自分の身体を正常な状態に戻す為の、貴重な一歩だからな。気を引き締めて事に当たりたまえ』

「は、はい…」

『…そんなに気を張ることもない。身体のパーツを探すといっても、48体の妖怪を倒すような苦行ではないさ。常に気張っていても、疲れるだけだぞ。
 応急的な措置とはいえ、正常な姿を取り戻したキミに会えるのを楽しみにしているよ』


 暮海さんはそう言うと、通信を切った。
 確かに、暮海さんの言う通りだ。あまり気を張っていても、いい事はない。締める時に締めればいい。


「さて、行こうか皆」

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