暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story5:あの戦いを見ていた者達
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 地面に足がつく感覚がする。視界も白から他の色を取り戻し始め、景色がよくなっていく。
 しっかりと見えたそこには、正方形のデータでできたキューブが散乱していた。そこは確かに、EDENのクーロンの光景だった。


「着いた…のか…」


 そう呟き、周りを見渡す。どうやらこの先が、先刻白峰達と出会った場所のようだ。後ろにはログアウトゾーンもあるな。
 さて、どう行こう。このまま進んだところで、もしかしたらあの時の“壁”が残っているかもしれない。そうなればそこ止まりになってしまう訳なのだが…どうすっかぁ……


「―――お〜〜いッ! タクミ〜〜!」

「ん? ……あれは…!」


 その時、何処からか俺を呼ぶ声が聞こえてきた。何処からだ? と辺りを見渡してみると、少し離れたキューブの上で小さい手を振る影があった。
 俺はそれを見て、思わず嬉しくなってしまい、大声を張り上げる。


「テリアモンッ!!」

「今そっち行くからね〜! そこで待ってて〜!」


 大手を振って嬉しそうに叫ぶテリアモン。しかしテリアモンがいる場所から俺のところまで、かなりの距離がある。どうするつもりだろう、まさかこの距離を飛んでくるつもりじゃあ……
 と思っていると、テリアモンがいる場所から何やら紐が伸びて、上の方のキューブに張り付いた。いや紐っていうより、糸かもしれないな。

 で、テリアモンはその糸掴んで…あれ、なんかちょっと大きくなった? いやそんな事より近づいて……


「タ〜クミ〜〜ッ!」

「オブォッツ!?」


 どうやらテリアモンはさっきの糸を掴んでターザンやったらしい。それが見事俺の顔に到着し、受け止めきれなかった俺はそのまま後ろへ転倒。受け身は取れたが後頭部を打ってしまった。これが意外に痛い。
 しかし何だろう、何故かこの間よりも重い気がする。さっき変に大きくなっているようにも見えたし、何かあったのか?

 まぁ取りあえず……


「重いから離れろ!」

「わ〜ッ!」


 顔に張り付いて頬をすりすりしてくるテリアモンをはがし、叫ぶ。テリアモンはそれでも楽しそうに両手両足をばたつかせていた。まったく…ほんと可愛いなおい。
 そのときようやく気づいた。テリアモンの身体―――というより耳に、別のデジモンが二体くっついていることに。


「きゃはは、だいせーこー!」

「だ、大丈夫!? 頭打ったように見えたけど…」

「紹介するね、この人が僕のパートナーのたく―――って、タクミが青くなってる!?」

「今気づくのか!?」


 ならどうして俺だってわかったんだ?


「う〜〜ん…匂いとか?」

「電脳空間で匂いとかあるの
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