1081話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
G弾。正式な名称は五次元効果爆弾。まぁ、色々と小難しい理屈の兵器だが、分かりやすく言えば重力技術を使った爆弾だ。
威力に関してはかなりのものが期待されていて、シャドウミラーがこの世界に干渉して戦術機だけでハイヴ攻略が出来るようになるまでは、ハイヴ攻略唯一の手段であるとアメリカが主張していた爆弾。
だが、そもそも1997年という時点での技術しかないマブラヴ世界だ。
いや、1997年の時点で戦術機を開発したんだから、その技術に関しては俺の知っている1997年と比べものにならないというのは理解しているが……それでも、重力制御技術に対して手を出すような程にまでは育っていなかった。
それでも無理をして作った結果、かなり不安定な兵器として完成してしまった。
……広範囲破壊兵器が不安定って、どんなんだよ。そんなの危なくて、とても使えない兵器だろうと思うが……実際シャドウミラーが来ていなければ、確かにG弾がこの世界の希望になっていたのかもしれない。
だが……シャドウミラーが来てしまった以上、G弾の不安定さというのは致命的な問題となっている。
更には、使用した場所に重力異常を引き起こして植物が生えてこなくなったり、他にもどんな欠点……いや、この場合は後遺症と表現した方が正しいか。その後遺症があるか分からない。
シャドウミラーの存在と、実際に俺達が連続してハイヴを陥落させたという実績。そして数多くの欠点により、G弾に関しては下火になっていった筈だった。
だが、アメリカには起爆実験の時に見せた威力により、G弾信者とも言うべき者達もいる。
自分達の国で開発した兵器だというのを考えれば、そんな思いを抱く者が出てきもおかしくはないのだが……それでも強い世論により、G弾の製造と研究は凍結されていた。
……そう。凍結されて『いた』のだ。今は過去形で話さなければならなくなった訳だ。
「ビル、どういうつもりだ? G弾はお前達の技術で手が出せるような兵器ではないというのは、既に知らせてあった筈だな? なのに、何故今のような事態になっている?」
俺の睨み付けるような言葉に、ビルは言いにくそうにしながらも口を開く。
『G弾は確かに危険なのだろう。だが、我が国が独自開発した最強の兵器であるというのは変わりないんだよ。それにこう言ってはなんだが、最強の兵器であるが故に多くの利権も関わってくる』
「なるほど、アメリカ大統領としてその判断は正しいのかもしれないな。だが……技術が足りないと分かっているのに手を出すというのは、危険が過ぎるだろう。それこそ、アメリカとの付き合いを考え直さないといけないくらいにはな。……残念だ」
溜息と共に呟くと、ビルにしてもそんな風に言われるくらいは理解していたのだろう。苦々しげな表情を浮かべつつも口を開
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ