第3章 リーザス陥落
第37話 封印の鍵を求めて
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傷も、深いっ……」
「ヒトミ、世色癌を頼む! 後、止血剤、元気の薬だ」
ユーリは、意識の無い彼女だったが、息や鼓動ははっきりとしているの確認すると、彼女の口に薬を入れ、元気の薬で体内に流し込んだ。それと同時進行で、ヒトミが傷口を抑え、止血。簡易救急セットの中にある包帯を巻く。
そして、どうにか応急処置は、終了。まだ、完全に安心する事は出来ないが、彼女の状態は今より悪くなる事はないだろう。後は安静に出来る場所へ向かうだけだ。
「お兄ちゃん、お家に急ごう!」
「ああ」
ユーリはかなみを抱えると、そのまま走り出した。
極力、彼女の負担にならないように慎重に、それでいて早く。家に戻れば病院ほどではなくとも、医療具も揃っているのだから。冒険者として 怪我をする事は常に想定をしている。故にそれなりに揃えており、備蓄もしているのだ。信頼出来る病院が傍にあると言うのも、豊富に揃っている理由だ。
それはかなみにとっての1つの幸運である。
それが、ユーリが偶然か必然か、レッドの町からの帰りの予定を早めにした事だった。
あの時、ユーリが帰らなければ 1日は放置されてしまい、見つけられるのは更に後、勿論 危険地帯だからこそ、命の危機もあったが。……それよりも不快に思えるのは、偶々通りかかったランスに見つかってしまうと言う運命だ。
確かに、かなみにとって 目的にランスは含まれており、ランスと会うのは絶対条件の一つだ。
だが、接触の順番がランスからであれば……それは彼女にとって不運、悪夢でしかない。
そうなってしまえば、『助けてやったお礼を〜……』と身体を要求!そうなるのは火を見るより明らかだった。ユーリと一緒ならば、回避出来る可能性がとも思えていたのだ。そして、そのもしも、の事態に陥ってしまったら、彼女の未来は決定してしまう。彼女が幸福を得られる事は、無いと言う悪夢の未来に。それは 兎も角、かなみにとっても、初めては好きな人とが良いからと思っているのは事実だ。
そして、勿論この話は《IF》の話であり、現時間軸、現世界では今、先にユーリが彼女を見つけた以上はそんな展開にはならないだろうと期待は出来る。
……かなみとすれば、ユーリならば、と考えなくも無いようだが、今は意識が無いのでスルーをしておく。
だが、意識の無かった彼女だったが……、世色癌のおかげなのか、元気の薬のおかげなのか、……あるいは、身体を抱えてくれた男のおかげなのか。
ゆっくりと瞼を開ける事が出来た。勿論、身体はもう指先すら動かす事は出来ない。最後に覚えているのは、せめて誰にも見つからない様に 茂みの中で伏せる様に意識を手放した時だ。
目を開けて、混濁する意識の中、視界の中、彼女は確かに見た。
「(
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