3部分:第三章
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第三章
「僕実はね」
「今度ね」
同時に言うのでした。
「結婚するんだ」
「そうするから」
こうそれぞれ言ったところで、です。お互いにです。
顔を見合わせてです。言い合うのでした。
「君もなんだ」
「君も結婚するんだ」
「いや、それはまた」
「意外だね」
お互いに驚いた顔になって言い合います。蝙蝠はその小さな目を見開いて梟は元々大きな目を光らせてです。そのうえで言い合うのでした。
「そうなんだ。結婚するんだ」
「相手ができたんだね」
「うん、だからひょっとしたらね」
「そうだね。奥さんができたらね」
どうなるか。蝙蝠も梟もわかっていました。
「僕達奥さんや子供の面倒見ないといけないから」
「こうしていつも会えなくなるね」
「けれどね。それでもね」
「そうだね」
そのことはわかります。けれどです。
その中でも彼等はです。そのことをお話します。
「僕達これからもずっとね」
「友達だよね」
お話するのはこのことでした。
「夜のお空にいるね」
「友達だよね」
「うん、じゃあまた会ったらね」
「仲良くしようね」
結婚してお互いの家庭ができてもです。彼等は友達でいようと約束したのです。こうしたお話をしてからです。
蝙蝠も梟も結婚してです。自分達の奥さんや生まれてきた子供達のことで忙しくなりました。自然にそれぞれの家族と一緒にいてばかりになりました。
けれどたまにです。お互いだけで会うとです。
また二匹だけで、です。仲良くお話をするのでした。
今夜はたまたまそうなってです。仲良く一緒にお魚を食べながらお話をしています。
「そうなんだ。また生まれたんだ」
「うん、そうなんだ」
笑顔で子供達のお話をしています。
「奥さんが卵産んだんだ」
「卵ね」
卵と聞いてです。蝙蝠はこう言いました。
「蝙蝠は卵じゃなくてね」
「すぐに赤ちゃんだよね」
「そうだよ。すぐに産まれるんだよ」
このことを梟にお話するのです。
「奥さんのお腹の中からね」
「凄いね。僕達なんてそこから温めないといけないから」
「いや、それは僕達だって同じだよ」
「蝙蝠君達も?」
「そうだよ。同じだよ」
蝙蝠はこう梟に言うのです。
「子供が可愛いよね」
「可愛くない筈ないじゃない」
梟はきっぱりと蝙蝠にお話しました。
「だって自分の子供なんだよ」
「そうだよね。だからね」
「同じだよ。僕達はね」
「そうなんだね」
「そうだよ。同じなんだよ」
こうお話してでした。蝙蝠はまたです。
梟にです。こう言いました。
「だから僕もまた」
「君も?」
「そう。子供達の面倒を見ないといけないんだよね」
「そうそう、子供ってそうだよね」
梟はまた蝙蝠に応えます
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