第1章:平穏にさよなら
第2話「日常」
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うよ?」
「...もう、手遅れなんじゃないかな?」
こういうのはどんどん嵌って行ってしまうモノだ。矯正しようにもできなくなったりする。
「聖奈さんみたいに、ちょうどいい具合に優しくできれば、堕落しないんだろうけどなぁ...。」
「あはは...私の場合はちょっと別の理由があるからかも...。」
「あー...確かに。」
僕に話しかけてくる彼女は聖奈司さん。背中辺りまであるふんわりとした綺麗な亜麻色の髪にブルーの瞳をしている、この学校で“聖女”の通称で知られている美少女だ。誰にでも優しく、優等生で人望もあるため、相当有名になっている。彼女が言った“理由”も、その有名な事だろう。いくら優しくされるとはいえ、美少女にかっこいい所を見せたいがために堕落はしない。...そんな感じだろう。男子限定だけど。
「まぁ、さすがに何とかするよ。忠告ありがとね。」
「うん。それじゃあ。」
そう言って、彼女は自分の席に戻っていった。
「このっ、羨ましいぞ優輝!聖奈さんと親しく話せて!」
すると、すぐ近くで談笑していた男子達の一人が絡んでくる。
「いや、話しかけてくる事はあるんだからそこから話題を発展させれば親しく話せるだろ?」
「それができないから羨ましいんだよ!」
それただの自業自得じゃね?というか、嫉妬だよね?
「はぁ...。いくら聖祥九大美少女の一人とは言え、会話しようとするだけでテンパったらだめだろ。」
「くっ...!これだから落ち着いた奴は...!」
聖祥九大美少女とは、この学校でも有名な美少女達の事だ。...うちの妹もその一人だったりする。
「こいつに弱点はないのか...!?」
「いや、弱点ってなんだよ。」
強いて言うならやっぱり英語が弱点だろうけど...。
「あまり目立たないのが欠点...ではないな。」
「地味で悪かったね。」
僕の容姿はそこまで良くはない。緋雪曰く、“クラスで三番目の顔”みたいな感じらしい。あ、あと女顔だとも言われる。...まぁ、僕はあまり自分の容姿に無頓着なんだけどね。
「妹の髪は梳いたりするけど、僕自身はあまり整えたりしないからね。」
ちなみに、あまり整えないのが原因だったのか、前世の学園祭では面白半分で女装させられた事がある。しかもメイド服。学園祭の割に全力で容姿を整えさせられたから少しトラウマだったりする。...しかもなぜかその時の僕を見た男子連中が顔を赤くしてたし。
「くそ、これが兄妹だという事の余裕か...!?」
「志導さんの髪を梳く...だと!?」
緋雪が求めてくるし、二人暮らしなんだから仕方ないだろ。...とは言わない
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