第1章:平穏にさよなら
第2話「日常」
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は分からず仕舞いだった。
結果、僕らは小学生低学年の年齢でたった二人で生きて行くことになってしまった。親戚とかはいたけど、ある程度裕福だったせいか、遺産狙いの人しかやってこなかった。だから、僕はそれらを拒絶して必死に妹と暮らして行けるように頑張った。...前世の経験が生きたなぁ...。
「...ごちそうさま。」
僕は、未だに両親の事を悔やんでいる。なぜなら、両親がいなくなってしまう事を感じ取っていたからだ。
「(あの時、無理矢理にでも引き留められてたら...。)」
僕が持っている特典であろう物の一つ、“虫の知らせ”は自分にとって不幸な事が起きる際にどこぞのニュータイプのように感知する能力だ。...それが発動したのにも関わらず、僕は引き留められなかった。
「(....っ、ダメだダメだ。しっかりしないと...!緋雪には負担を掛けられない...!)」
暗い感情を振り切るように頭を振って思考を切り替える。
「....?お兄ちゃん?」
「あ...なんでもないよ。ほら、着替えてきな。」
「はーい。」
緋雪にも心配されたのできっちりと思考を切り替える。
「さて、僕は洗い物をっと。」
緋雪が着替えてくる間に朝食の後片付けを終わらせる。
「着替え終わったよー。はい、お兄ちゃん。」
「ほいほいっと。」
緋雪から着替え終わったパジャマを受け取り、纏めておいた洗濯物と一緒に洗濯機に入れて洗う。
「...うわぁ...髪が...。」
「うおっ、今日は結構ひどいな。」
洗濯物が洗い終わるまでに歯磨きをして、緋雪の髪を整える。
「自分でもできるのに、なんで僕にやらせるんだ?毎回思うけど。」
「えー?だってお兄ちゃんの方が上手いじゃん。」
綺麗な背中まである黒い髪を梳かしながら緋雪に聞くと、そんな返事が返ってくる。
「そうなのか?慣れただけだから実感がないんだけど。」
「そうなんだよ。それに、気持ちいいし♪」
むぅ、男には分からないものだな。
「よし、これでいいだろ。」
「うん!ありがとう、お兄ちゃん。」
「いつもの事だ。別にいいよ。」
両親がいなくなる前も、何度か髪を整えたりはしてたしね。
「さぁ、学校の準備で忘れ物がないか確認しときなよ。」
「分かってるって。」
僕も確認しておく。......うん、完璧だな。
「今日の天気は...よし、晴れだな。」
「降水確率も0だって。」
「じゃあ、干しに行くか。」
天気予報を確認して、ちょうど洗い終わった洗濯物を干しに行く。
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