第3章 リーザス陥落
第36話 真夜中の魔の手
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んか……気に入りましたね 若き女騎士。私は美しいものを称えたい。純粋に……どうですか。私に、その身を捧げませんか? 全てを忘れられますよ……」
「なにを…世迷言……わ、わたし……あっ……」
レイラは必至に抵抗をしていたのだが、何故だか手が、脚が動かせなくなっていった。意識も混濁していく。そして、周囲にいた他の仲間達は、その何かに耐え切れず、まるで糸の切れた人形の様に事切れてしまったっていた。
「っっ!!」
「ほう……」
レイラは、途切れかけた意識を、自身の気合を持って取り戻し そして その手を振りほどいた。そして、強く握り締めていた剣を、目の前の男に突き立てた。……だが。
「まだ、正気を保つ事が出来ている。私の術から気を逸らし、そして仕掛けてくるとは。……本当に素晴らしい」
そこには、何かがあったのだ。突き立てられようとした刃が、見えない何かに阻まれたのだ。
「なっ……、いったい、なにが……」
持てる全ての力を、剣に集中させ、全力で貫こうとしているのにも関わらず、剣は全く動かない。……先へと進まないのだ。
「ふふ。これは無敵結界。我々魔人の、嗜み、と申しましょうか」
「なっ……!!」
「絶望、しましたね。少し残念な気もしますが、……私を魔人と知った。そして、魔人は何人たりとも傷つける事は叶わない。……幾ら素晴らしい意思を持つ、貴女でも仕方が無い事でしょう」
ゆっくりと、剣を握られ、動く事も出来ない。
「私は、魔人アイゼル。……以後お見知りおきを」
「(り……っく……りあ……さま………)」
最後に頭に留めようとしたのは、主君と……自分の好きな男の姿だった。崩れ落ちるレイラ。
そして、彼女の部下である親衛隊も、全て総崩れとなってしまったのだった。
〜リーザス城 大階段〜
リーザスの赤い死神とヘルマンの人類最強の男。
傍から見ればその力の差はまるで無いと見える程に、拮抗していたが。
「(明らかに、格が上だ……! そして、この男は楽しんでいる。……まだまだ、未熟だと言う事か。世界は広い)」
リックはこんな状況だと言うのに、彼自身も格上と戦えた事に喜んでいる節もある様だその顔には僅かだが笑みも見られる。
その時だった。
「(り……っく)」
「ッ!?」
リックは、声が聞こえてきた気がして、思わず2F レイラ達がいる方を見てしまった。
「戦いの最中、余所見とは余裕か? 死神」
「ぐっ……!!」
その刹那、トーマが飛ばしてきた鉄球がリックの身体を掠った。リックは思わず距離を取った。余裕などある筈も無い。相手は格上なのだから。
「ふふふ……、本当に強いな。死神。こ
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