第3章 リーザス陥落
第36話 真夜中の魔の手
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たのはメナド・シセイ。
彼女は元々門兵だったのだが、リーザスの忍者、かなみと共に訓練に明けくれ、その実力がマリスとリアの目に止まり、若くして赤の副将軍にまで抜擢された新戦力、次世代の強者なのである。いつも、真面目に業務をこなしている彼女がここまで取り乱して駆けつけてくる、その事だけで何か異常があったのだとリックは直感していた。
「す、直ぐに来て下さい! 突如、突如! ヘルマン軍がリーザス城内に現れました!!」
「なっ!?」
「そんな馬鹿な!? 一体どうやって、国境を越えた!? いや、しかし、監視の目を掻い潜って、城内にまで、そんな早くに来られる筈が……!」
「事実です! 今城の1階は最早死屍累々……見ていられない状況になってしまっています。お力をっ……ぐっ」
メナドは肩に手を当てて蹲った。彼女もまた決して無傷ではなかった。隠しているようだが、血が滴り落ちているのだ。
「メナドっ!」
「大丈夫……です。それよりも皆を……リア様をっ……」
「判った。コルドバ殿!キンケード殿!!」
リックの声に頷く2人。
これは未曾有の大事件だ。
実力が拮抗する以前500年以上昔を除けば、城内にまで敵の進軍を許した事など無いのだから。
「白と紫の軍は、遠征に行っている。僅かしかいないが城内に残っている兵力だけで向かうしかない!」
「勿論です!」
「……クッ、なぜこのタイミングで」
其々が迎撃に向かって走った。
なぜ、今の今まで気づかなかったのかが不思議に思えるくらい、城内では怒号が沸き起こっていた。そして、悲鳴も……。
リック達は、兵力が少ない今、状況がはっきりとわからぬ今、バラけるのは得策では無いからだ。一先ずは目先の兵士をなぎ倒し、生き残りの兵士達を纏める。
「正面突破です! 私が道を切り開きます」
「任せた! 背後左右はオレ達に任せろ!」
「行くしか無いようですね」
リックの素早い怒涛の剣閃が一転突破で、ヘルマンの兵士蹴散らす。
そして、必至に守りに徹していたリーザスの赤と黒、そして青の兵士達を助けた。そのまま、四方から狙われる1Fを捨て、2Fへと駆け上がる。正面から敵を迎え撃つ為だ。
「全員、ここから先は誰一人として通すな!」
「守り通すぞ!! 我が青の軍の力を見せてやれ!!」
2人の将軍の鼓舞は、戦意を失いかけていた兵士達を再び奮い立たせた。
「リック将軍、もう既に何名かが奥へ……!」
「ぐっ……、レイラ隊長の部隊は!?」
「彼女は奥で必至に留めてくれています! ここは、我らに任せてリック将軍は!」
リックを、リーザス最強の男を奥へと、一番重要な場所、女王の間に近い所へ向かわそうとしたその時だ。
「そうはさせんよ。
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