第3章 リーザス陥落
第36話 真夜中の魔の手
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あ、それも仕方ないじゃろう 其々に任務があるのだ。ワシはお主らが集まっただけでも、十分に刺激になると考える。軍の若い連中のにもな?」
バレスは、後ろの方でこちらを見ている同じく訓練をしてるメンバーを見た。その手は止まっている。普段ならば、訓練をしろと一喝する所だが、これほどのメンバーが集った訓練だ。
見て学ぶのも重要な事だろう。
だが、何故だろうか。バレスは、何処か嫌な予感がする。その予感は日に日にましていくのだ。その理由が判らない。リックはこの通り訓練により、ただでさえ強大な力を更に上げている。
そのリックに触発されるように全軍の将も訓練に汗を流す事が多くなっている。力の底上げも着々と出来て着ているのだ。
「……まだ日が照っていると言うのに、月が青く見える」
空を眺めたその青い空には……夜でしかその存在を輝かせる事が出来ない月が見えていた。何故だろう、見れば見るほど……悪い予感が拭えない。
「どうかしましたか? バレス殿」
「いや……、ワシも付き合わせてもらおうと思ってな?」
「がはは! バレス殿が直々に胸を貸してくださるとは! これは気合が入るというものです!」
「(……あの歳で。絶対に真似できんし、したくないな……)」
訓練に明け暮れるメンバー達。
今日は珍しく軍議も特に無い日だ。だからこそ、訓練に汗を流す事が出来た。バレスは悪い予感を一蹴する。頼りになる仲間が回りに沢山いるのだ。信頼出来る仲間達が沢山いるのだ。
どんな事が起きても、どんな嵐が襲ってきても。……必ず夜は明けると信じていた。
だが、その夜、深夜。
未曾有の悪夢がリーザス城を襲う事になったのだった。
〜リーザス城 深夜〜
「今日は本当にお疲れ様でした。付き合って頂き、ありがとうございます。コルドバ殿、キンケード殿」
「いやいや、リック殿を見てると俺もまだまだやらねば国を支えられんと、更に気合いが入ると言うものだ! それに、守るべきなのは国だけじゃなく、美人の嫁さんも待っているからな」
「ははは、美人と言うより、美少女ではありませんか?」
「はは、ちげーねえ! でも、世界一の美少女だ」
「(……あそこまで行くと犯罪だよ、犯罪)」
キンケードはやれやれとため息を吐いていた。このリーザスで攻のリックと守のコルドバ、その2人に囲まれて上に、更に上に総大将がいる。……今日は厄日だと思わずにはいられない程、キンケードは疲弊をしていた。
その時だった。
「り、リック将軍! コルドバ将軍!! キンケード副将!」
「どうした? メナド。今日はもう上がったんじゃなかったのか?」
3人が訓練を終えて戻る所に、血相を変えてやってき
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