暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第36話 真夜中の魔の手
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時には武器屋、鍛冶屋にメンテナンスをしてもらったりもしている為、余程の事が無ければ大丈夫だろう。

 その時だった。

 突然、ぱきっ! と言う音が、静寂な部屋に響いたかと思うと、かなみから受け取った忍者刀の鞘に ヒビが入っていたのだ。

「っ……なに……?」

 ユーリはそれを見て不穏に感じていた。
 何故なら、幾ら刀身じゃなく木製の部分とは言え、何もして無い、落としたりもしていない。

 そんなタイミングでヒビが入る事などあるのだろうか?

「……」

 何か、嫌な予感が頭の中を駆け巡っていた。……彼女に、何かあったのかと。

「明日は早めにアイスの町へと帰るとするか。……何かが、リーザスに何かが あれば、恐らくキースの耳に入るだろう」

 これは、ただの偶然なのかもしれない。

 別に、なんら関係も無いのかもしれない。いつの間にか、脆くなってしまっていただけなのかもしれない。メンテナンスをしていたのは、主に刀身の方だから気付かなかっただけかもしれない。

 


 だが、ユーリのこの判断が後の展開で功を成すのだった。



                                                                                   

〜アイスの町 ランスの家〜



 ランスの家の夜は今日も賑やかだ。
 卑しい声が辺りに響き渡るが、これはいつも通りだし、ランスに文句を言う者もいる筈も無いから もう放置をしているのだ。

「さぁ! シィル、もう一発だ!」
「ひんひん……休ませてくださいよぉランス様……。痛いです……」
「何を言うか、これからが楽しくなる所だ! 何しろ新しく開発した体位だからな!」

 ランスは、ばばんっ! と決めポーズ?を取るとシィルを後ろから乱暴に、その女の子の象徴である2つの膨らみを掴んだ。

「名付けて、大和流星松葉崩しMK2だ!がははは!」
「ひんひん……痛いです……」

 シィルの脚を大きく開いて殆ど無理矢理にするランス。シィルも可哀想だなと思えるが、何処となく今の状況が嬉しそうだから、最早何も言わないでおこう。
 ランスの家はいつも通りの日常を過ごしていた。

 そして、ランスの家の資金はもう既に底をついていた。


――……ランスが動き出す時も近い。



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