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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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高潮に達した。
辛うじて、強制ログアウトする事なく耐え切ったキリトは、頭の中で様々な場面が揺り起こされていた。
そう、自分が殺されそうになった瞬間。……あの戦い、大規模戦争。……《竜の鬼》と言う異名の誕生と彼の涙。
あの象徴は、《
笑う棺桶
(
ラフィン・コフィン
)
》のモノだ。
「質問の、意味が、解らないのか」
「……ああ、解らない。本物って、どういう意味だ」
「………」
灰色のマントが一歩下がろうとしたその時だ。
「………」
キリトの肩に触れるモノがあった。反射的に、キリトは再び仰け反り、距離を取ろうとしたのだが、何故だろうか?安心できる。……自分はこの手を知っている、と咄嗟に感じる事が出来た。目の前の男とはまるで対極の存在だと言う事。
まるで、キリトの前に一歩でるかの様に、キリトの隣に並び立つ者。
「誰、だ。お前は」
勿論相手もその存在には気づいた。だが、別に話しかけるのも不思議ではない。この世界での仲間、だとすれば話すのは普通だし、加わろうとするのだってあり得るだろう。……このぼろぼろマントの男自身も同じように話しかけたのだから。だから、無視して言葉だけを残して立ち去る事だって出来た筈だ。だが、なぜか聞き返していた。
「……漸く、お出ましか?」
軽く瞳を閉じて立っていたのは、長い銀髪を束ねたプレイヤー。
その装備は、この男同様のミリタリージャケット、対弾アーマー、コンバットブーツ……、違うのはその装備に更に頭からすっぽりとかぶされているフード。そして所々に銀色のラインが施されている色彩の迷彩服。表情は見えない。
「なんの、こと、だ?」
「今日は、持ってないんだな? ……圏内だろうと、圏外だろうと、関係ないんだろう? お前のソレは」
「………」
今度は、この者が何を言っているのか、理解する事が出来なかった。
それは、キリト自身もそうだ。この人物が何者なのかは直ぐに理解する事が出来た。身体を襲っていた悪寒や混乱からくる動悸は徐々に収まりつつあるのは、この者が傍に来たからだ。
「直訳で、死の銃か」
「………!」
その名前を、訊いた途端、ぴくり、と肩が持ち上がった。この者に名乗った覚えはない。
……何れは名乗るつもりではいたが、今はその時ではなかったからだ。
だが、この者は自分を知っている。丁度それは、キリトが味わっていた感覚と酷似していた。違うのは、完全に余裕があるということ。精神が落ち着いている、と言う事。
何故だろうか、落ち着く、と言うよりは心躍る気分になっていた。
「もう一度、訊く。……お前、誰だ?」
だからこそ、もう一度だけ聞いた。その答えが帰ってこない場合
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