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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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っていた時、ぼろぼろのマントがゆれ、中から細い腕が突き出した。マントと同じボロ布のようなグローブに包まれた手は空だった。その身体のどこにも装備品は見られない。
まだ、武器をオブジェクト化していないのだろう。その細い腕、手がウインドウ操作をし、可視化。キリトに向けて見せた。
それは今回のFブロック 予選組み合わせ。《Kirito vs 飢丸》
もう既に決着はついており、アナウンスと共にキリトの名前が進み、飢丸の名前が黒くなる。そして、その指が僅かに動いてKiritoの名前を上から下えなぞり……、そして再びあの声が響く。
「この、名前、あの、剣技……お前、本物、なのか」
その言葉で全てが判ったと同時に、衝撃も再び身体を迸る。
それが最大の衝撃。
膝が震えそうになるのを必死にこらえるキリト。このキリトと言う名、出自を知り、且つあの剣技をしっている。その両方を知っている者。つまり、自分が出会ったのはGGOでもALOでもない。
そう、あのデス・ゲーム。
この男は、あの世界から生還した者。自分やリュウキと同じSAO
生還者
(
サバイバー
)
なのだ。
身体の中で、いや頭のなかで必死に落ち着かせるキリト。
あの世界から生還出来た者達は7000を超える。別に遭遇したからと言って、パニックになる事はない。そもそも、自分の名前はヒースクリフとの一戦、二刀流と言うユニークスキル、などがあり、それなりに広範囲に知れ渡ってしまっているのだ。
それでも、血盟騎士団の双・閃光、アスナとレイナ。団長のヒースクリフ。
……何よりリュウキに比べたらまだ周知度は可愛いモノだと思えるが、知られていると言う意味では同じだろう。そして、あのスキルを模した剣技、《ヴォーパルストライク》は、メジャーな片手直剣である剣技だ。知っていてもおかしくないし、それが同じ攻略組出身者で、当時の知り合いだとすれば、旧交を温めよう、と自分もしたかもしれない。
だから、恐れる必要など無い筈……なのだ。
――……なんでだ? なぜオレはこんなにも……。
身体の動悸が止まらない。
……その得体の知れない正体は次に明かされる事になる。あの男の細い腕の一点を見て。
ぼろぼろの包帯を巻きつけた様なその腕。だが、一部だけはだけて奥の肌がちらりと覗いたのだ。
見えた部分は手首、そしてそこに刻まれたタトゥー。
図柄はカリカチャライズされた西洋風の棺桶、不他にはニタニタと笑う不気味な顔。
――アレを忘れる筈はない。アレを忘れる筈もない。
自分をあの世界で殺そうとした者も、ソレを刻んでいた。あの世界で存在した。ある組織の紋章。皆が深く傷ついた元凶。
この時キリトのパニックは最
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