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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第179話 右手の悪夢
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その目線の先を見ようと追いかけた、その時だ。
右耳のすぐ隣で、声がした。
金属質な空気の排出音と共に、それと同様な金属質な声。
「おまえ、本物、か」
「……っ!?」
反射的に飛び退りながらキリトは振り向く。その男の身成を一目見た。まっ先に目に入ったのは、ボロボロのマント。そして、その頭をすっぽりと覆っているフードの中に赤く光る眼。キリトはこの時、SAOの世界での幽霊、ゴースト系のMobを思い出していた。
だが、直ぐにそれは間違いだ、と言う事に気づく。
あの赤い目はゴースト系にデザインされた別に鬼火という訳でもない。ただ、顔全体を覆うマスク状のゴーグルのレンズが光っているだけだ。まるで、初心者の様に驚いてしまった事と、明らかなマナー違反である至近距離からの声かけに苛立ちさを覚えつつ、キリトはぶっきらぼうに訊き返した。
「本物って……、どういう意味だ? あんた、誰だよ?」
しかし、相手は名乗りもせずに間合いを取ったキリトにもう一歩近づく。
もう、キリトは下がりはしない。真っ向からその不気味な視線を受け止めた。そして、再び明らかに何らかのボイス・エフェクターを使用しているであろう倍音の混ざった不快な声が切れ切れに響く。
「試合を、見た。剣を、使ったな」
「あ、ああ。別にルール違反じゃないだろ? 普通に売ってたぞ」
応じたキリトの声は、内心の動揺をアミュスフィアがバカ正直に視界の端のバイタル数値にはっきりと再現された様だ。この世界での声もややかすれてしまった。
それを看破したかのように、灰色マントの男は更に数cm顔を近づける。
「もう一度、訊く。お前は、本物、か」
何度も聞かれるその問いの真意を模索する前にキリトは直感した。まるで、頭の天辺から足先までに雷撃が迸った様な感覚がする。
――オレは、こいつを知っている!!
この感覚は、それが間違いではない事を表している。間違いない、絶対にどこかで会っている筈だと。だが、それが何処でなのかが判らない。この世界で、GGOの世界で会話を交わした相手は限られている。ダイブ当初に話しかけてきたアバター・バイヤーの男、色々と世話を、ガイドをしてくれたシノンと、かの世界の戦友であり、親友であり、同じ境遇のリュウキ、シノンの友達でもあるシュピーゲルの4人しかいない。
だから、この世界ではありえない。
では、この世界の以前の話となってくる。つまり、ALOだと言う事だ。
これだけの印象的であるプレイヤーを忘れる筈もないから、互いに違うアバターで出会った、と言うのだろうか。だが、どうしてもそんな覚えはない。
――オレはどこで、どこでこいつと……。
キリトが記憶を探
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